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2012.11.29

レベルは上げるごとに難易度も上がる（７ｓ・秋・安・二次創作）

テーマ：二次創作小説(1164)

カテゴリ： 🌾7種2次裏

金があれば自由が買える。
金があれば愛を飼える。
金があれば時間が返る。
そう豪語していた友人は自殺した。

友人の最後に払った金は自由でも愛でも時間でもなく単なる無機質な機械に吸い込まれて逝った。

レベルが上がる。
医療現場では難易度が高い事を示す。
ならばなぜゲームではレベルが上がる事を喜ばしいというのか。

それはより難易度の高いステージに挑める名誉と、その高みから見られる自由な何物にも遮られない景色からだ。

じきに高い目線は飛び降りる為、首を吊る為にだけ存在するようになる。

我慢をした。
我慢に我慢を重ねてようやくそこまでたどり着いた。
あいつのような轍は踏まないと、堅実に積み重ねた結果がこのギャンブルな世界へのご招待だ。

そらまあ、そこで３年も過ごしたら病みたくもなるってもんだ。

だから世界で一番不幸って顔をしたそいつが許せなかった。
不幸なら何でもやっていいってわけじゃない。
少なくともギャンブルを積み重ねてそこまで生き残って来た幸運をむしろ享受して俺達を導くべき立場のリーダーとやらがどうして勝手に排除をしていく？

金を積み上げて生きてきたオレの塔は燃やされ、代わりに未来で生きる権利を得た。
そいつは俺達の安心と仲間の信用を燃やしながら日々生きている。

だからそれが燃え尽きる前に、その勘違いを正してやりたかったんだが、それは見事に裏目に出たようだった。

金の価値をろくに重んじない奴に、結局俺は適わないのかもしれない。
最後に残ったお守りの万札を巻いて吸う。

ほろ苦くて、幼い頃の味がした。

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