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長押綴

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2015.02.27

花視点14巻辺独白

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父は種を蒔いた。

争いと憎しみの種を。

あたしはそんな父と赤の他人で居られたらと何度も思った。

父やめーちゃんのことも言わぬが花、黙っていられるくらいに自分が器用だったらよかったのにと思った。

そうすれば傷付けず、傷付かずにいられただろうに。

あたしがもっと年齢が低ければ、こんな問題気にせずに済んだんだろうか。

分からない。

分からなければいけないんだろうけど、分からない。

嵐に教えてほしい。

助けてほしい。

＊

安居には仲間が居る。
つまり、こちらも仲間を傷付けられたら黙っていない、という気持ち自体は理解できる筈だ。

だけど、安居には血のつながりのある親が居ない。
デリケートな問題で、価値観の問題で、だけど黙っていたり受け流したりできる力がなければただ一方的に圧制を受けていることなんてできるはずがない。
それについてのコネを責められたら、言い返せる隙は、安居達の唯一のコネだろう施設の話を持ち出すしかない。

うまれついての地獄のような競争社会。あたしだって、あたしの仲間だって、言いたくないのにこんなこと。

偉そうな態度を取る安居が悪い。

誰が責任を取ってくれるのか。

答えは今日も分からない。

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