Laub🍃

Laub🍃

2017.05.07
XML
カテゴリ: ◎2次裏漫
​​​​​​​​
 悪役が実は辛い過去を持っているから同情しろというお話が昔からとても嫌いでした。
 腹黒結構、狡い手段結構、傲慢結構。

 悪役ならば悪役として「誇り」を持っているべきなのです。

 感情的になった方は、涙を見せた方は、「可哀想」ではありません。「負け」なのです。
 判官びいきは、利用の手段なのです。
 頭を下げる者は、自己犠牲と自己満足に酔っているのです。

 罪悪感や同情を持った者は負けなのです。


 だから、悪の癖に綺麗であろうとするような彼が嫌いでした。

 自分達だけが不幸であるような顔をする髪が嫌いでした。

 強い癖に弱さを見せてくる声が嫌いでした。

 反発に慣れている癖に、裏切りを知っている癖に、反乱に慣れていない手が嫌いでした。

 私の倫理の通用しない世界で「強者の側」であったことを語る、そのくせ「消費される側」であったことを語る、その迷いなき足取りが嫌いでした。

 同じように、夢破れた者達の、社会に食い物にされた者達の御旗となりそうな、その愚かな目が嫌いでした。


 ーだから、不器用な正義感で憎悪を押し通す、その姿に比べて、何も語らず、揉め事の種だけ置いていった彼らが遥かにマシに思えました。

 ーだから彼の嫌いな悪である、『その人』について、『その人』の娘に、語ったのです。

「誇っていいんですよ」

 -と。



**********









※注意




以下全方面に喧嘩を売るIF二次ヘイトスレスレ創作小説です
※視点キャラが口汚く、罵倒されているキャラ・罵倒している視点キャラ双方へのヘイト創作のようになっています
※ヘイト創作が苦手な方、ネチネチした描写や荒っぽい描写が苦手な方は読まれないことをおすすめします

「悪役の裏事情」というものを批判しております
※色々酷いです
※裏社会への偏見を大いに含みます

















**********

​​​​​​​​



 善悪に振り回されるのは、精神的に子供な方々です。



 悪であろうと、出世は出世。
 その権力を行使することは当然の権利。

 彼らがどういった手合いであろうと、彼らとて政治、大衆の道具として生かされてきた存在に過ぎないのですからそれに文句を言うのは滑稽な負け惜しみでしかありません。

 したたかに生き抜いている時点で、したたかに生きる者を責める権利はありません。
 勿論責められる義務もありません。

 したたかでなく不器用に生きておられる方、また生き抜けなかった方は口無しなのです。

 代弁する声も、数を集め後ろ盾と客観性を保証せねば意味はありません。

 そう、世の中はどんな手段であろうと生き抜いた者、人脈を広げた者、こうした倫理を浸透させた者勝ちなのです。


 感情は収納場に置いて。
 倫理は棺桶に入れて。


 義理と人情は金とコネで支配されるのです。





 傲慢な殿方ですが、ガイドさんは、いい方です。

 巨大蟷螂から命を張って救ってくださいましたし、その後きちんと事情の説明をしてくださいました。
 比較対象となる方があまりにも私達とは合わなかった為、その盾ともなってくださいました。

 喩え、彼らのお蔭で人を殺せる大きさの蟷螂が死んだとしても、比較対象…ガイドと同格に扱われる方の内一人は、とてつもなく鼻持ちならない方でした。
 単純な正義漢というのはある意味扱いやすいものですが、疑いを覚えた正義漢はとても始末に困ります。
 ヒーローになりたかったと語ったガイドの方は前者、導く為に来たと言った方は後者。
 ーとはいえ、彼らは傲慢な殿方同士、何か揉め事があった時にこちらを置いて衝突してくれるので楽と言えば楽でした。
 そうして、そんな衝突場面に接している内に、それぞれの人格、拘り所も見えてきました。

 導く為に来たと言う方は、もう一人居ました。
 苗字を名乗らないお二方は同郷出身のようで、ガイドと同格、あるいはそれ以上の存在であるように振舞ってきました。
 文明が滅びたからと、何処出かも分からない方々に好きに振舞われることは少し不快でした。

 彼らはプロ意識が高いゆえに、甘えに厳しく、特に辛く当たられている最年少の子は彼らの内短髪の方を白頭、長髪の方をムツゴロウと裏で呼ぶ事で鬱憤を晴らしているようでした。

 短髪の彼は事あるごとに己の誇れる仲間を例に出し、それと比べて力の劣る者、目立った特徴のない者を役立たずとしてみなし、積極的と言えば聞こえはいいのですがいささか押し付け気味な訓練を行ってきました。
 幸いにして眠ったままの少女を無理やり起こそうとすることはありませんでしたが、他のチームに知り合いが居る、その医者に見せたいと度々主張されました。
 起きたら、起きてしまったら、生きる為に生きるようなこの訓練を彼女にも課すのかと考えると、ぞっとしました。

 全く、どんな育ち方をされてきたのでしょう。


 ……彼の仲間がもっと集まったら、この合理主義が更に加速してしまうのではという不安も湧きました。

 合理主義の男性脳にはありがちなことですが、感情というものを解さない、重視しない者は往々にして反発を受けます。

 夜中に見張りを買って出る短髪の彼でなく、昼間に見張りを買って出る長髪の彼がリーダーシップを取ってくれれば、もう少し和やかになるのでは?とも思い、度々何気なく提言もしてみましたが、長髪の彼は私と同じく支える方が性に合っていると返事をされました。

 …そうして一歩引いているからこそ、抑えることが出来ているとはいえ……歯がゆいものでした。

 短髪の彼は、持ち前の傲慢さ、潔癖さで度々諍いの中心に居りました。

 同郷の彼、また深夜に共に見張りをしている寺生まれの方が止めるも空しく、その衝突はガイドの方以外とでも起こりました。

 真っ先にぶつかったのはガイドの方でしたが……それで、済んでいれば良かったのですが。
 彼は、盾にはなりきれませんでした。

 次にぶつかったのは、私とは少々異なるタイプの「お嬢様」の彼女……正義感が強く、折れず、元の世界で度々孤立してきた彼女、そして皮肉屋の彼でした。

 そうして、私達は……正義漢の強い彼女が表で戦い、私は裏でフォローをし、医者を志望する彼女はその間の場所でバランスを取る者として、苦楽を共にしました。

 正義感を押し通そうとする強者は、手に負えません。
 そうした人間に対抗する唯一の手段が、多数決です。
 私達は、彼を対立相手にする者として無意識に同盟を組みました。

 寺生まれの方と、ガイドの方、そして長髪の彼は中立に近いことが、彼にとっての救いであったことでしょう。

 そうした関係が続いていくものだと、考えておりました。
 そうした関係が続いていくうちに、事態は好転するでしょうと。

 -しかし。


 彼女の父親が白頭の彼の家族を殺したということがーたったお二方の証言ですがー分かってから、状況は変わり始めました。

「どうして俺達だけがこんな目に……っ」

 事情はよく存じ上げませんが、同じく外の世界の事情を知らないのにそう言ったことを口にすること自体が傲慢でしょうーそう思いましたが、言えませんでした。
 言ったらきっと、もっとヒートアップします。

「今、下手に反応してはいけません。流しましょう」
「……うん…」
「本当に暴力などに訴えてきたら、流石に庇いますから」
「……ありがとう」

 いつもの正義を持つ彼女の、弱い姿。
 剣しか持たない、盾を持たない彼女の、不器用な姿。

 ーそこだけは、不気味なほど、彼と似ている姿。

 私は表に立って庇うタイプではありませんでしたが、しばしば彼の殺意の暴走に、他の話題を出すことで歯止めをかけようともしてきました。

 ガイドの方が度々体力と使命感を活かし庇ってはくれるものの、それでも限界があります。

 私が狂っているのでしょうか。私の同情心がないのでしょうか。
 -しかし、それでもやはり、「面倒である」という思いが勝ちます。
 ガイドの方の株を上げ、人格の良い所を見る為には一役買ってくれて、また総合的には判断力・戦闘力・サバイバルの力に長けている彼ではありますが、他のチームと合流したら真っ先にそちらのチームに「訓練」と嫉妬、憎悪の矛先を変えてほしいものだと近頃考えております。






「お前……もしかして」
「……!」
 そんな日々、遭遇したのはーこの世界に、15年前にやってきたと語る彼らでした。

 彼ら6人は、一様に精悍な顔つきをしており、その内お二方がガイドの方でした。

「……そっちのチームは、ガイドは3人じゃなかったのか」
「……もう1人は、あいつだ」
「…あいつ?」
「……まさか…」

 ガイドのサポートの方々はこちらに来る前の知り合い同士らしく、私達を置いていき会話は進みます。

「未来に来る直前お前らに馬鹿みたいな発破をかけたあいつだ。
 肉食動物の囮にした。その後は知らねえ。運が良ければ生きてるだろうが、顔を合わせないで15年経つ」
「……そうか」

 神経質な彼だけでなく、いつも彼の暴走を止める方もちっとも残念ぶる様子を見せません。
 そこまで恨みを買っていた方ーだったのでしょうか。
 私の周囲にはよく他人と恨みを売り買いする方が多いので、相手の死によってしか安らげない彼らの事情も分からなくはありませんでした。
 -そして、『過去』をそうやって扱う彼らが少し哀れに思えました。

「人の声がするからあいつかと思った。……顔を合わせてみればお前らだ。昔から見飽きた顔だが、安心した」
「お前はキャラが変わってなさそうで安心したよ」

 白頭の彼が、少しほっとしたように笑いました。
 いつもその表情で居ればいいのに。恐らく彼ら以外の皆がそう思ったでしょう。

「……ありがとう。多分僕も、皆も、そう思うと思う」
「別に。そういうキャラの俺がやってやった、それだけだ。……皆って…他のチームには会ったのか?」
「いや、まだだよ。チームは、僕たちが急遽『別々のチームに振り分けられる』ことになってから1つ追加されたのは知ってるよね」
「ああ。-ふざけた話だ、俺達と同じ季節の名前を冠してる一般人なんてな。……しかもそいつらのお守りを任されたのが、行きたくないと叫んでいたあいつと、どうでもいいが口癖のあいつだ」

 浅黒い彼はシニカルに笑います。それを白頭の彼は黙って見ていました。
 いつもの、あの娘が不吉と称する血の気の落ちた無表情。
 何でも、誰でも殺せそうな顔。

「……」
「どうする。そいつらを捜すのを次の目標にしてみるか?」
「……ああ。ここにも、数か月定住していたが……食糧も増えてきたし、いいだろう」

「……」
 青ざめた顔の彼女が心配です。新しく出会った彼が、短髪の彼を止めてくれるか、それともーーーーー憎悪感情の味方か。

 そうして、新しく出会ったチームの方々は、暴走をどう捉えるかーーーーーーー。


 いっそ取り返しのつかない事件でもしてくれれば、それを理由にして排斥出来るのですが、未だにきっかけは訪れません。



 さて、どうなることでしょうーーー。







*******************************************






以下設定:












× ×× ××× ×× ××× ×× × × ×× × × ××
× ××× ×× は巨大蟷螂をなんとか犠牲者0で倒し、 × をリーダーとして試す。
× の持っているナイフへの警戒を強める ××
×× の殺意に気付いた × が、 × を庇う。
××× 、一緒に夜回り・狩りを手伝う ×× は、 ×× を抑える。
×× に墓や死の概念についての話をされるが、いまいちピンと来ない ×× 。古典の動物の扱いについて気になり、少しずつ色々と話すようになっていく ××× ×× の夢遊病をどうやって止めるか医療・PTSDについて見識のありそうな ×× ××× は相談する。
×× をサーベルタイガーの囮として置き去りにし、途中まで × を利用兼保護しながら進む × と再会し、物語は動き出す。

ーその頃の他チームー
× /クールver. ××× 、通常からしてクール ×× に面食らう ×× 。少し怖いと思いながらも、 ××× に対しては身長や、外の世界への憧れる想いについて親近感を感じ始める ××
× ×× に温室育ちと言われ、地味にイラついているが笑顔の奥にそれを隠す ×× 。他の男陣がその迫力にヒヤヒヤし始める。仕事面で別分野の人からアドバイスを貰う為として ×× と積極的に話し始めるお × だったが、それは皮肉にも仕事へのめりこむことで日々の虚しさを消化する仕事人間化と、危ない薬開発加速を進めてしまう。
三年が経った後、ノルマ組・noノルマ組として、 ×× × は決裂する。​​​​​​​​





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017.10.22 17:52:52
コメントを書く
[◎2次裏漫] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: