Laub🍃

Laub🍃

2017.07.23
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カテゴリ: ◎2次裏漫
※邪推・捏造に次ぐ捏造
※悪趣味
※E.Tの子供×エイリアンじみてる
※ひたすらうだうだ悶々としてるパラダイムシフト







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ぞくりと、脳天からつま先までをかける、絶望に似た何か。


ーそうか。
こいつはどこか、元々狂ってた。
だから、発狂してもその異常なほどの綺麗さは変わらなかったんだ。


昔からその目には何かを感じていた。
その感覚が畏怖だと知ったのはいつからだろうか。


生き残る力なら俺の方が高い筈なのに。
その光はあの人の育成の賜物の筈なのに。
明らかに、俺とー俺たちと、どこか違っていた。


稲妻のような眼光も。
夕焼のように歪む笑顔も。
朝日のように闇のない丸い目も。

全て。

違っていた。




あの狭い世界では、その生を感じさせる目が俺と似ていると思っていた。
仲間なんて要らないと言う俺と、いざとなれば仲間を切り捨てられる、そいつ。

自分が生き残る為なら何でもできる、それもまた一つの能力。

冷酷さと紙一重の『賢さ』ーだと、思っていた。


その光る青い鬼火も、その知性と獣の獰猛さが混ざったものだと思っていた。


違うと思っていたんだ。


あいつが夜中に暗い目で『人探し』をしていた時、その枯れた薄のような姿の真ん中、ただ唯一生きている目と違うとーそいつがまだこの世界に居ると信じる愚かで綺麗な目と、俺がかつて自身に似ていると錯覚した目は、違うと思っていたんだ。

だからそいつを心から美しいと思った。

周りの誰がどう言おうと、どう扱おうと、そいつは世界で一番純粋で綺麗で、守らなければいけない相手に思えた。



だけど、その綺麗さは。
ただ生きる為に本能に忠実なそれは。
どんな目に遭ってもどこまでも無垢なそれは。

反抗の仕方さえ知らないそれは。






嫌な形に部品が組みあがっていく。


根本が同じ場所から出ているのだとしたら。


人を疑う事を知らない目は。





『純粋培養』


これは、同じ生物としてはあり得ない程の純粋さは。


『温室育ち』


ー俺が憧れて、なれなかった、それは。


ーその意味は。





広くて、到底人の声なんて届かないほどのー高い高い、空虚な空。


あるいは、そこにきらめく数多の星。


どれだけ遠くにあるかさえ分からないものたち。









ーなれないのも当たり前だ。


ー俺は、異常を装う平凡だった。







どう、手を伸ばしていいか分からない。

そもそも、救えるのかどうかすらもーーーーーその綺麗さに、何が救いになるのかも。


ーあいつの中に残る、人間らしさを皆がよってたかって貪り尽すから。
あいつが、汚く膿んだ所をかきむしるから。


ひび割れた皮膚から、赤ん坊の目が顔を出す。


星のように、鏡のように、水のように光りながら。



たまらない。

頭の中がぐらついている。



だから、せめて、あいつについて知っていることを挙げる。

自分の立っている場所を掴む為に。


あいつを捉え直す為に。


俺のついてきたあいつを。



腕の中の柔らかいものをかき抱く。



いつかの太陽に似たそれを。



それでも、あの残照が頭から離れない。






あいつの浮世離れを進めて止まないあの灯りが。




俺を凡俗な汚い世界に置いていくあの綺麗さが。












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この後普通に戻ってきたので安心する自称俺には出来るんだぜ(出来ない)マン





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最終更新日  2017.10.08 19:32:53
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