Laub🍃

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2017.09.18
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カテゴリ: .1次題
後ろめたければ後ろめたいほど、強くなれた。


きらきらと光るアクセサリーが、部屋の目立たない所に飾ってある。
これを手に入れたのは10の頃だったろうか。


歯医者で頑張る子の為の小さなプレゼント。1つきりのはずなのに、2つもらった。こっそりと。

だから、次の歯医者の時には余計に我慢できた。

ばれたらきっとこの痛さじゃすまない。
心がもっと削られるはずだ。



世に言う真面目系屑というものなのだろうか私は。


外面をよくすることと、人の見ていない所で屑なことをすること。


ーそうして、屑な行為をする自分の正当化にも繋がる。


他の人を面と向かって傷付けないならば何をやってもいいのだ。


他の人の目がない所なら何をやってもいいのだ。

そう思うからこそ、目がある所では絶対的に法を順守できる。
まるで見付かったらアウト、のゲームのように。





ーどうして、こいつは、それなのに、そのアウトを認めようとする?

目の前の存在を縊り殺してやりたい。

理解しようとするな。私の悪を。私の秘密を。


裏を、表のように、扱うな。







今日も、一人を葬った。
表の潔癖な私が裁き、裏のどうしようもない私が手を下した。




手に入れたはいいが使わなかったアクセサリーを、表に出せなかったそれを、こうして落ち込んでいる時だけ身に着ける。


これでいい。


これでまた、裏の、今の私を知るのは私だけ。

裏を見下すのも、あいつとは違うと努力する存在も、表の私だけだ。


裏の私は好き勝手に全てをやる。



それでこそ、表の輝ける私の正当性が明らかになるのだから。
ーそれでこそ、表の私だけが、裏の私を食い物にできるのだから。


安っぽい同情。
嘘臭い共感。
冷たい理解。

全部要らない。





それなのにどうしてか、表の私に寄り添ってくれる人は居ない。
裏の私を見付けてほっとした顔をして擦り寄る輩は後を絶たないのに。


反吐が出る。
反吐を愛する反吐など要らない。


だけど、表を完全に全てだと信じ込まれてもまた、息が詰まって、裏で余計にざまあみろと言わんばかりに屑なことを私はするのだ。

汚く醜悪で臭くてはしたなくてどうしようもない存在を内側で飼っていることを目の前のこいつは知らないのだ馬鹿めと思って、馬鹿同士の傷の舐め合いを見下して、それでもどこか羨まし気に遠くから見ている。


そんな表の今の私の方が、本当はどうしようもないのかもしれない。





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最終更新日  2017.12.16 23:04:39
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