Laub🍃

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2017.10.01
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カテゴリ: 🌾7種2次表
あたしたちはこんなんじゃなかった。

こっちに来て、何度そう思ったことか。

非効率的で腐っていく世界が嫌だった。

だから、そいつらが現れた時良くも悪くも世界は変わっていった。



*******









********


上の指示になんて従わず、上の力なんて借りないでやっていくつもりだった。
精いっぱいの抵抗。

逃げた十六夜を捕まえて、ただ土地を耕すだけの人間にしたのも抵抗の一つだった。


繰り返し繰り返し、途切れることなく自動再生のテレビのように。

少しずつ家ができて、少しずつ貯蔵ができて、少しずつこの世界を知って、

それでもそれが何になる?


明日は何をするか。
明後日は何をするか。


あたしたちは何を目指しているのか。

生きることか。

あたしたちは何を待っているのか。

生きる為の力か。


「君たちは」

死んだ方がよかったのか?



あたしは笑った。
秋ヲも笑った。


臆病な素振りで被害者になるのを待っているような男に何が出来る。














なんで、いつも意気地なしのくせにそういう時ばっかり動くの。







殺そうとしたという告白。
生きてほしいという願い。




何で今そんなことを言うの。








仇をとってやりたかった。

たとえそれが警戒の為だとしても、そいつがかつてまともだったとしても、それがあたしたちに何の関係がある。


仇をとってやれた。
それなのに、苦い。








夏のBチーム。時々思い出す。
あたし達を助けられるわけでもない癖に放った青い言葉が、生き方が頭に残った。

春のチーム。
たくましくて、夢を持っていて、生きる力を感じた。

冬のチーム。
うちのチームには居ないタイプの熱さと、あいつとどこか似た自虐性があった。

夏のAチーム。

……他のチームを導く為に来たと言う奴ら。
新しい世界で、生きる為に育てられた奴ら。

それ以外を捨てる為に、それ以外を捨ててきた奴ら。




あたしたちと似ていた。

日々を繰り返し掌の中で生きるあたしたちの人生を突き付けられた。



「温室育ちってことだろ」


秋ヲはきっと、自虐を込めて言っている。



生きる為に枠の中から、垣根の中から出られない生き方。

死ぬのが怖いから収穫されることを分かっていても生き続けてしまうその愚かさ。


世間知らずのあいつらと、世間を十分知っている筈のあたしたち。
傷付けることに慣れているのに、身を守る術を知らないあたしたち。






温室を壊す嵐を待ち続ける。






待ち続け今日も日が暮れる。





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最終更新日  2017.11.01 19:14:41
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