Laub🍃

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2018.01.10
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カテゴリ: 🌾7種2次表
大分端折ってる要さん視点





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ラプラスの悪魔 

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人がどんな動き方をしているか。
人がどんな立ち位置にいるか。

それだけで、人がどう動くのか分かった。

だから僕は人を管理するシステムに口を出した。

相応に努力と観察と管理を継続すればいいだけの簡単な話。



佐渡の養育施設で、職員以上、資金元以下の位置で僕は働いていた。

子供達はみな有望だった。
中でも安居や涼は格別で、成績のみならず、安居の責任感、涼の注意力には、大人の手が回らない所で随分と助けられた。

これからもそうだと思っていた。

だがそれは誤算だった。

だから殺さねばならないとも思った。

だがそれも誤算だった。

今の僕にはただ観察することしかできない。

100人の子供達が徐々に起き出して、動ける程度に回復し始めてからはより人目を避けることが困難になった。

攪乱程度に蟻を追い払っては洞窟に潜み、生き残りの彼らが分散して探索・冒険していて接触しそうになったら角又に断ってから墓の近くに掘った地下室に隠れ潜み……かつての誘拐犯からの逃亡生活を彷彿とする暮らしだ。


自業自得。それはわかっている。



俺の生きて動いている姿を目撃し、手紙などで交流している相手は今の所角又、牡丹、螢くらいだ。

三人にはそろそろ顔を出したらどうかと言われているが、出すつもりは今の所ない。
悪影響を及ぼす可能性があると一点張りをして、拒んでいる。
ここまで来たらもう意地に近い。


自分の正義に固執して殺しかけた安居。



……次にぞうとらいおん丸が帰ってきたら、また考えてみよう。


償えるとは思わない。
赦されるとも思えない。

それでも、いつか、話をしたい。


くだらない事でもいい、汚い事でもいい。

観察だけでは分からないこと、法則の外にあることを話せる日がきたらいい。





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最終更新日  2018.03.20 11:07:17
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