Laub🍃

Laub🍃

2018.03.08
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育ての親を彼は殺した。
親を殺さなければ自分が殺されると思った。
親を刺した直後、自分は世界で最強の生き物だと彼は自認した。

親は死んでいなかった。
彼の後ろからひたひたと近付いて、彼を殴り倒し、近くの古びた縄でぐるぐる巻きにしてまた出て行った。
彼は親をひたすら呼んだが、涙が出ても、声が枯れても、親は帰ってこなかった。

親は彼との思い出を抱えて、近くの草むらで死んでいた。
彼は親との思い出を思い起こしながら、死ぬことも生きることもできず、ただ叫び続ける。
親との思い出の中で何度も何度も痛めつけられ、歪んで、彼が親そのものになったとき、ようやっとその縄は解けた。


親のあの歩き方を真似て、親の躯だったものに気付かず踏み越えて。





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最終更新日  2019.03.31 23:02:50
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