Laub🍃

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2018.10.10
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カテゴリ: 💫復活裏
ずうっと家を出てたクソ親父が何やら初めて見る女の人と仲の良さそうな家族みたいなやり取りをやってるのを見たらそりゃあムカつかない方が嘘ってもんだろ。


「でもほんとのところは9代目の子供だったんですよね?」
「……うん。そんでもって言われたよ、後継ぎ問題が難しいから俺とあいつで結婚しろって通達が来てるってさ」

 親父も、その女の人ーーーザン、と名乗った彼女も、その話をする時に顔をしかめていた。
 その数分後乗り込んできたザンの部下なんて猶更だ。

「こぉんなガキがボスの婚約者だとぉお!?笑わせるぜぇえ!!!!」

 スクアーロと名乗ったそいつの声はうるさすぎてご近所の人達からは昼ドラ昼ドラと騒がれ始めた。

「俺だってやだよ……好きな子居るし…」
「でも9代目がなぁ…」

「でもそうするとツナとザンとで闘ってもらうことになっちまうぞ」
「望むところだ」

 ハン、と吐き捨てるように笑うザンに今度こそ俺は蒼褪める。
 ド迫力の美女と闘う…?無理無理絶対無理だって!
 自分が叩きのめされる予感しかしないし、そもそも女の子とこれまで戦ったことなんてないし闘いたくもないし…。爆発するイーピンを空に投げたことくらいしかない俺に何が出来るって言うんだよ!?

「でも最近他の組織の動きも怪しくてな~、いったんは戦わずに結束を見せる為ってことで婚約してほしいっつうのが9代目たっての願いでなあ」
「「知るか!!!」」

 ザンと俺の声がはもり、思わず顔を見合わせる。

 外面はそこそこ優しく見えるが実のところ破天荒な父親に振り回される同士、この人とは仲良くなれるかもしれないーーー結婚はしないにしても。

 そう思っていると、ザンの顔がまた嘲笑に歪む。

「こんなクソガキと婚約したってなったらむしろ俺の面目の方が潰れちまうぜ」


 あん?と胡乱な目を向けられる。め、めんどくせえ~~~~~。

「ならここで一発決着つけとくか」
「ちょっ、待って待ってタンマタンマ!!!????」

 ぼん、と死ぬ気の炎を出して照らし出されたザンの顔は壮絶で、俺は心の中で密かに京子ちゃんの名前を呼んで涙を流すのだった。





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最終更新日  2021.05.04 18:02:40
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