Laub🍃

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2018.11.13
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少女パフナスィア。
 彼女は幼馴染ムシクといつか結ばれるという夢を見ていた。

 幼馴染ムシクはパフをさらって幸せにするという夢を見ていた。
 しかし彼女の夫カクはその前にムシクを殺した。

「いいか。お前を大事に出来るのは俺だけだ。お前は俺の下でずっと生きるんだ」

 そう言われ続け、数十年パフは我慢し続けた。
 しかしパフの怨念は抑圧されたまま膨れ上がっていった。

「だって、エヴァガ様が良いって言ったんですもの」

 ついにある夜、パフは土地神に唆されて夫を毒殺した。


 土地神エヴァガは喜んでパフの霊を迎えた。数十年前に殺されて虫の餌になっていたムシクと一緒にしてやった。しかしパフは泣くばかりだった。

「どうして、死んで終わりでないのですか」
「私は終わってよかったのです」
「生きることは、続くことは、苦しみ続けることばかり。私はエヴァガ様のように他人の幸せも自分の幸せも喜ぶことができぬのです」

 そう言って、パフは戸惑うムシクの霊を置き去りに、小さな小さな悪霊のカクを抱きかかえていた。

「もういいのです、私も、カクも、終わらせて下さい。
 ……ムシクは、今度こそ幸せになってね」

 ムシクの伸ばした手は届かず、パフはカクとともに、エヴァガに喰われた。

「仲間が増えると思ったのになぁ」

「てめぇ……!」

「お前の幼馴染が望んだんだぜ?」




 ムシクは頭をかきむしり、やがて呻くようにこう言った。

「俺も喰えよ」
「なんだ、寂しいなぁ」

「人間っていうのは、こういうものなんだよ。くそったれの神よ」

 それがムシクの遺言になった。





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最終更新日  2021.06.05 04:11:51
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