Laub🍃

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2019.12.04
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吹っ飛ばされた衝撃で体が木々にぶち当たり、木を掴んだ右腕が速度に負けてもげ、踏ん張った左脚があらぬ方向へ折れ曲がる。だが直後右腕はぬぼっと生々しい音を立てて生え、左脚はゴキゴキと嫌な音を鳴らしながら戻っていく。

「チャー、チィィッ!!!」
「ホーマ、どうして嫌がるんだ?全てはお前の為なのに」

 周囲の生命力をどんどん吸収していくチャーチ。そのチャーチがエネルギーを注ぎ込む先は俺の生存本能。チャーチが力を開放するほど俺は力を得るが、代わりに理性を失っていく。ただ本能に任せて自分が生きる事だけを考える怪物になる。
 そんなのは嫌だ。嫌なのに。

 わずか、嬉しいと思ってしまう。

 思考の隙間を縫って、チャーチに操られた木々が俺を拘束する。
 だがその拘束が今は俺を生かす為の強さだと思うと頼もしくさえ思えてしまう。

 ああ、どうしようもなく、嬉しい。



 -その時だ。

 突如、足元が崩れた。

「ホーマ!!」

 怖い。嫌だ、落ちるのは、暗いのは、消えるのは!

「大丈夫だ、俺がついてる」

 チャーチの手が俺の手に絡められ、瞬間世界は白に染まった。





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最終更新日  2020.12.30 08:05:38
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