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2004.10.01
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 朝松健は、この作品で伝奇作家として大ばけしたという評価があるそうですが、3つの点で、とてもかっこいい小説です。
 まず第一に、作者のオカルトに関する知識、史実の検証などが適度にこなれて使われている事。これは、ともすれば、オカルトの知識が披瀝されすぎていた事もある、それまでの朝松作品とは一線を画するものでしょう。
 第二に、ホラー作品にありがちな、白黒がはっきり分かれた、勧善懲悪的な図式を取らず、「ものにはみな、仏性があり、魔であってもこの世にあるならば救い得る」という、日本人にとって受け入れやすく、優しさを求める現代人には受け入れやすい図式になっていること。
 第三は、物語が大団円である事は勿論、「いったい誰が物語を語っていたのか」というちょっとした種明かしがラストに来るという、「一粒で二度おいしい」仕掛け。
 その後の、一休シリーズや真田シリーズも勿論面白いのだけれど、やはり再読しても、この作品は、朝松伝奇物として白眉だと思います。

『元禄霊異伝』『元禄百足盗』『妖臣蔵』朝松 健(光文社時代小説文庫)





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Last updated  2004.10.01 22:42:31
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