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August 3, 2005

『ルパンの消息』横山秀夫

テーマ：今日どんな本をよみましたか?(91915)

カテゴリ： ♪本の覚え書き♪

15年前の女性教諭の自殺は殺人事件だ…。という有力な１本のタレこみ情報。時効まで24時間、総力を挙げてかかる捜査陣。3人の不良高校生が企てた「ルパン作戦」という期末テスト奪取計画に絡み合う女性教師の死の謎は果たして明らかになるのか…。

3人の高校生が期末テストを盗もうと計画し、学校への侵入を試みる。しかしテストがあるはずの金庫には死体が…。あわてて逃げる3人。しかし発見された死体は飛び降り自殺として片付けられ、3人は自分達の計画が知られてしまうことを恐れて口外することなくそれぞれの人生を歩き出していたのでした。

その事件から15年。明日には時効だという切羽詰った中での聞き込み、忘れていた彼らの記憶を呼び戻し明らかになってゆく事実。
少々無理やり感はありますが、危機迫るものを感じます。

毎日のように一緒に過ごしていた学生時代。その後まったく違う方向へと分かれ、それぞれまったく違う生活をする彼らの姿に心をうたれました。

そして悲しい中にも小さな希望を感じさせる内容。もう横山さんの形はここからできていたんですねぇ。

横山さんはこの作品が今はなき「サントリーミステリー大賞」の佳作となり、記者という仕事をやめたのだそうです。しかしこの賞自体がなくなってしまい出版されずにいたようです。
いやぁ、本になってくれて本当にありがとう♪という気持ちになる1冊でした。

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