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サンガンピュールの物語(成長編)5話

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 5月3日、土曜日。ゴールデンウィーク真っ只中のこの日の昼下がり。住宅街には祝日とあってか日の丸を掲げている家が多くみられた。サンガンピュールは家でKとのんびり過ごしていた。そんなとき突然、市長からサンガンピュールの携帯電話に一本の連絡が入った。
 土浦駅西口に近いマンションで若い男が乱入。そこに住んでいた若い女性を人質に立て、女性の部屋に立てこもり、身代金を要求してきたのである。どうやらこの男は恋愛話のもつれから、女性の部屋を襲ったらしい。凶器として文化包丁を持っている。警察も出動して男に対して説得を続けているが、男に投降する気配は感じられない。このままでは女性の命が危ない!そこでサンガンピュールの出番となったのである。彼女はすぐにホスティアを彷彿とさせる茶色一色の勝負服に着替え、ライトセイバーと拳銃を用意して犯行現場に急行した。

 現場に到着した彼女は警察から説明を受けた。彼女はとっさに判断した。
 サンガンピュール「うん、分かったよ。直接私が行って強行突入するしかないね」
 と言った。しかし
 警官「ちょっと、強行突入って、今どんな状況か分かって言ってるの!?今、我々が必死に説得を続けている。君がすぐ突入したら男は人質を刺すかもしれないんだぞ!我々の指示に従ってくれ」
 傍らにいた警官は大層驚き、今は思いとどまるよう彼女に説得した。しかし彼女は自分の意見を押し通す性格があり、今回もそれが勝ってしまったようである。
 サンガンピュール「あたしが市長さんに頼まれてここに来たのは、この恐ろしい事件を一刻も早く解決するため。この状態じゃいつまで経っても終わらない。場合によっては犯人を殺します!行かせてください!」
 警官「ちょっと待て、待ちなさい!」
 警官の制止を振り切り、サンガンピュールはマンションの外の非常階段から犯人と人質のいる階に向かった。そして部屋の前のドアをライトセイバーによる高熱によってこじ開け、犯人、人質と対峙したのだった。犯人の男は持っている包丁を女性の首に切りつけるそぶりを見せ、こう叫んだ。
 犯人「むっ、サンガンピュールだ!お前の超能力なんか怖くねえよ!一歩でも近づいてみろ!近づくと本当にこの女を刺すぞ!」
 助けを求める女性の声も聞こえる。サンガンピュールはためらわずに超能力を使い、男を人質の女性から離れさせ、居間の壁に激突させた。そして男がひるんだその矢先に、これまたためらわずにライトセイバーを取り出し、こう言い放った。
 サンガンピュール「こんな残虐なことをやるあんたには、生きる資格がないね。死になさい!」
 犯人「よせ、よせ・・・、うわああああ!」
 男の腹を突き刺した。犯人の男はサンガンピュールの刃に倒れたのだった。
 彼女は、ふっ、これで一件落着みたいな顔をしていたが、解放された女性が悲鳴を上げた。悲鳴を聞いて駆けつけた警官隊が見てみると、そこでは犯人の男が出血多量で死んでいた。地上で居合わせた警官は大変に憤慨した。
 警官「サンガンピュールさん、どうしてくれるんですか!!女性は解放されましたけど、犯人が殺されると我々の方はもっと困るんですよ!」
 サンガンピュール「市長さんの委託を受けて、町の凶悪事件を解決するのがあたしの仕事よ。事件を解決させるには犯人を殺すのもやむをえないと思うのです!」
 警官「そうは言っても困るのは我々なんですよ、分かりますか!事件の背景が分からなくなったようじゃ…。あなたには寛容さが足りませんね」
解放されたはずの女性も、救出者のサンガンピュールを怖がっている。そして

 女性「あんたの方がよっぽど怖いよ!!」

 と言われてしまった。サンガンピュールは一瞬驚きの表情になり、ガクガクと手を震わせ、右手に持ったライトセイバーを落としそうになった。そしてふと思った。
 サンガンピュール「とんでもないことをしちゃったよ…」

 ( 第6話 に続く)


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