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現在の日本では各科毎にそれぞれ独自の専門医制度が設けられています。眼科にももちろん専門医制度はあり私も当然その専門医なわけですが、今日はその専門医制度について少しお話してみようと思います。
まずその受験資格なのですがちょっと細かいですが以下のようになります。
1)日本眼科学会及び日本眼科医会の会員である者。
更に具体的な研修内容として
1)一般初期救急医療に関する技術の習得
3)眼科診断、ことに検査に関する技能の修得
4)眼科治療に関する技能の取得<関与する眼科手術が100例以上:外眼手術、内眼手術、およびレーザー手術が執刀者としてそれぞれ20例以上>
5)症例検討会などへの出席
6)眼科に関する論文を単独または筆頭著者として1編以上および学会報告を演者として2報以上が指定されている
2.4年以上日本眼科学会会員で、かつ受験時に日本眼科医会の会員である者
の条件を満たした者
(3)委員会が行う専門医認定試験に合格した者。
となっています。
今年も6月18日から6月19日にかけてその日本眼科学会専門医認定試験が行われました。
初日は午前中に2時間眼科に関する一般問題、午後には更に2時間実際の臨床に関する実地問題の筆記試験があります。
一般問題に対する回答の仕方は上記写真の通り、「選択肢5つから正しいものを3つもしくは2つ選べ」等というものが多く、しっかりとした実力が無いとなかなか答え切れない骨のある問題が並んでいます。
午後の臨床実地問題の方は、
↑ このような実際の患者様の眼の写真を見ながら設問に答えて行くもので、これまたしっかりとした眼科外来診療での経験と努力が無いと答え切れません。
更に2日目には口頭試問があるのですが、これは各大学の教授クラスの先生方を眼の前にして出される各種の問題によどみなく答えられなくてはならず、毎年筆記試験をクリアしてもこの口頭試問で撃沈する人もいます。
そして今年の専門医試験の結果は、、、、
総合合格率60.8%でした。
この試験は毎日バリバリと眼科臨床で働いている我々眼科医を対象にしたものなので、その眼科医が真剣に戦って合格率が60%というのはかなり低いのではないか?と思います。その意味では「眼科専門医制度」というのは一定の能力のある眼科医を認定する試験として、まずまず機能していると考えています。
もちろん眼科専門医試験に一度パスすればそれで終わり、というわけではありません。
合格すると専門医の認定証がもらえるのですが、その期限は5年間限定です。眼科専門医資格を更新するには、この5年の間に眼科専門医制度委員会が認定する学会参加や点数制の研究・学術活動を行い、合計100単位を取得しなければなりません。
この点数は、例えば学会出席で半日2単位・1日3単位、講習会出席1時間1単位、学 会発表2~4単位、論文執筆4単位など細かく規定されています。なので、眼科専門医になってもその後の勉強を怠ると、一旦手に入れた専門医の資格を失ってしまいます。眼科専門医を名乗り続けるには一生涯を続けての勉強が必要ということです。
眼科専門医であり続けるためには、上記のとおり5年間で100単位、1年間では20単位を取ればよいわけですが、私は個人的に「普通の眼科専門医の2倍は勉強しよう」と考えており、年間40単位の取得を目標としています。
例えばこの1年で言うと、昨年の10月には福岡市で行われた日本臨床眼科学会で8単位、今年の5月には香川県高松市で行われた四国EYEランドセミナーで6単位、6月には大阪市で行われた日本白内障学会で6単位、生涯教育講座で11単位を取得しています。更に、来月の9月には福岡市で行われる日本緑内障学会への出席で8単位取得を、10月には広島市で行われる瀬戸内眼科コロシアム出席で6単位取得を予定しています。
このように我々眼科専門医は、毎日毎日皆様の眼の健康を守り続けることが出来るように勉強し続けています。私も「最新・最適・快適・安全な全国レベルの眼科医療をここ八幡浜で提供し続ける」ことが出来るように、これからも頑張っていきたいと思っています。
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