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さてようやく会場に到着しました。 第6回東京眼科アカデミー参戦記、ようやく本編のスタートです。(笑)
いよいよ楽しい勉強の始まりです。
さて最初のセクションは「フェムトセカンドレーザー白内障手術」でした。現在主流の白内障手術はPEA(超音波乳化吸引術)といって極めて洗練され完成の域に近づいたものなのですが、欠点がないわけではありません。
このフェムトセカンドレーザー白内障手術ではOCTという三次元解析装置を用いて眼の切開のデザインを決定し、レーザーを使って正確に行います。
今のところ手術の全てがレーザーで行えるわけではないのですが、角膜切開、前嚢切開(CCC)、水晶体核分割という重要な手技を正確に再現性を持って行えます。発表した先生も「特にCCCではマニュアル(今現在の手術手技)との差が凄くある。これは一度体験するともう戻れない」と絶賛されていました。
白内障手術ではこのCCC(水晶体の袋の前面を丸く切り取ること)という手技が一番難しいとされ、「これをマスターしたら術者として一人前」と良く言われます。というのは、手術ではCCCさえちゃんと成功していればその後に合併症を起こす率が非常に低くなりますし、またもしも合併症が起こってもそこからリカバリーして目の中にレンズを入れるという最低限のゴールまで到達することが容易だからです。
ところがこのCCC、一筋縄ではいきません。患者様によっては水晶体の周りの筋肉(チン氏帯)が弱かったり、散瞳(さんどう:ひとみの開き具合のこと)が悪かったり、白内障が進み過ぎていて内部が膨化していたりと与えられた条件が厳しくて、思い通りのCCCを切れないということは良くあります。
その点、フェムトセカンドレーザー白内障手術では確実に想定通りのCCCを切れるので、これだけでも恩恵は計り知れません。
更に全体として精度の高い手術が出来ることを背景として、
白内障手術後の屈折誤差(狙った度数とのズレ)も非常に少ないことが報告されていました。
このようにいい事尽くめのフェムトセカンドレーザー白内障手術ですが、現在のところは日本ではまだほとんど普及していません。
それは世界的に見ても最先端であることに加え、日本では現在は厚生労働省が未承認のため、手術にも診察にも全く保険が効かないからです。
ただ、実際のフェムトセカンドレーザー白内障手術を見ると、現在主流で私自身も毎週行っているPEA手術とは、8速AT(オートマ)と3速MT(マニュアル)くらいの安全性と精度の差があると痛感しました。
厚労省の認可、機械の値下がり(現在は数千万円します)が必須でしょうが、いずれ近い将来、フェムトセカンドレーザー白内障手術が主流になるだろうと確信しましたし、私のクリニックも絶対にその変化には対応しなくてはならない、と肝に銘じました。(続く)
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