PR
Calendar
Comments
Keyword Search
Freepage List
Category
何の罪も無いヒグマを射殺した北海道に抗議を!
2012年4月20日(金)10時46分配信 共同通信
20日午前6時ごろ、札幌市南区藻岩下の山林で、地元の猟友会がヒグマ1頭を射殺した。住宅街から20~30メートルの場所で、付近では19日午後から目撃情報が相次ぎ、猟友会が警戒していた。札幌市によると、体長約1・5メートルの雄グマで、推定4、5歳。人を恐れるような気配がなく、人を襲う危険があるため殺した。市は19日から付近の遊歩道を閉鎖するなどして警戒、猟友会に出動を要請していた。
同時期アメリカでは以下のような出来事がありました。
携帯を操作しながら自宅の玄関先を歩く男性。次の瞬間、前方に何かを見つけて一目散に逃げ出します。男性の行くてを阻んだのはなんとクマ。アメリカ・ロサンゼルス近郊で10日、住宅街に体重約180キロのクマが現れました。
クマと遭遇した男性:「階段を下りようとしたら、クマが上ってきたんだ。命がけで逃げたよ」
クマはこの後、麻酔銃で撃たれて捕獲され、もといた森に戻されたということです。 (04/16 ANNニュース)
これはアメリカでは安易に射殺処分はしないという一例にすぎません。
日本では射殺、アメリカでは麻酔による捕獲。絶滅の危機に瀕している熊の対処の仕方を日本もアメリカに学ぶべきではないでしょうか。
ましてや今回のクマは山菜を食べていただけで射殺されてしまいました。
今後2度とこのような愚行が行なわれないよう、抗議の意見を送っていただけたらと思います。
(意見送り先)
1.北海道環境生活部 環境局自然環境課
TEL (011)231-4111 (内線 24-361) 自然管理グループ
FAX (011)232-6790 E-mail:
kansei.shizen1@pref.hokkaido.lg.jp
2.札幌市長宛のメール
https://www.city.sapporo.jp/city/mayor/mail/koe.html
3.北海道猟友会
電話番号 011-747-2006 FAX番号 011-727-3020
E-mail:
ryoyukai@dream.ocn.ne.jp
日本熊森協会の見解
●北海道では、ヒグマの駆除許可権限は、道庁が持っていることになっています。しかし、道庁自然環境課動物管理グループによると、実質権限は市町村に投げられており、道庁は関与していないそうです。今回の射殺で、道庁には多くの抗議電話がいったようで、お気の毒に担当者はお疲れのようでした。
●札幌市の担当者に電話すると、ヒグマが出ているのでよろしくと、猟友会に頼んだということです。これでは行政不在です。
●北海道では、わずかに知床財団だけが、知床のヒグマに対してゴム弾で追い払うなどのノウハウや人員を持っているそうで、他の所では、そのようなものは皆無なのだそうです。まして北海道には、いまだにクマの放獣体制などありません。
●なぜ海外と比べてヒグマ保護がこんなに遅れているのか、残念でなりません。ひとつでもいいから、北海道にヒグマの保護団体が誕生することが急務です。住宅の近くに来たといっても、そこは元々クマのいたところで、人間の方が入ってきただけです。
●午前6時に夢中になってクマが山菜を食べていたら、人を襲う恐れがあると勝手に判断されて射殺されてしまう。恐ろしいことです。空砲で逃がすなどの試みは一切取られていません。初めから殺すありき、これが北海道の現状です。
北海道野生動物研究所所長:門崎允昭氏の見解
こ の熊は最初に目撃された19日以来、住宅に近い場所とはいえ、あくまで林地内で草などを採食しており、住宅地に出て来た様子も、出て来る様子も見られな かった。
熊がいた場所は樹の葉が茂ると、外部から見え得ない環境であり、葉がなく外部から樹林地内部が見通せる今時でも、熊からすれば安心できる己の環境 であり、それが人家から20~30mのところでもそうなのである。
このような場所では、熊が人を気にせず、恐れないのも当然で、それゆえに、そこで草など を採食していたのである。
映像に写し出された熊の顔・表情を見れば、熊は安心しきって草を食んでいたではないか。
その熊の心も見切れないで、熊がいる場所が人家に近くで、危険だから射殺した。
そして、人を恐れない「新世代熊」(北大教授の坪田敏男「4月21日道新25 面」の可能性がある)とのコメント。これは、射殺行為を正当化する欺瞞さ傲慢さと、熊の生態についての無知をさらけ出したもので、あきれるばかりだ。
札幌市は今年も約八千万円もの熊対策費(調査費)を付けていると言う。その金で電気柵を幾組か購入し、今回のような必要箇所に必要が生じた時に、設置した方が、よほど市民と熊に寄与するはずである。はっきり言って、札幌市の熊対策で、公金を8千万円も出して調査せねばならないことなど、無いと言いたい。熊が何頭いたって良いではないか。住宅地と熊の棲み分けを図れば良いのである。熊が出てきそうな場所は既に、過去のデータから、わかるはずだし、不明な箇所は人家から100~200mの範囲の樹林地の地理的環境とそこでの熊の痕跡調査をすることで解明できる。それにしても、札幌市とこれに関与している、北大閥のヒグマムラ(羆村:研究者集団?)は愚かとしか言いようがない。
ところで、私も顧問をしている「日本熊森協会」が、道庁と札幌市に、今回の熊駆除について、問い合わせしたところ(4月20日に)、道庁の自然環境課 動物管理グループの熊担当者(アズマ氏)は熊駆除の権限は道庁にある。しかし実際は市町村に任せている、との答えだったと言う。 札幌市の担当課は猟友会に任せている。今回の件については、「今回の熊については、殺せとは言わずに、熊が出ているから、宜しくお願いします」と言ったと言う。
なんと、無責任な対応であろうか。 この大地は人間だけの物では無い。総ての生き物の共有物。
熊を極力殺さずに、しかも各種被害を予防しつつ共存すべきである