のぽねこミステリ館

のぽねこミステリ館

PR

Profile

のぽねこ

のぽねこ

Calendar

2024.12.31
XML

アンソニー・ホロヴィッツ(山田蘭訳)『カササギ殺人事件』(上・下)
~創元推理文庫、 2018 年~
Anthony Horowitz, Magpie Murders , Stormbreaker Production Ltd, 2017 )
 ヤングアダルト作品などを発表してきたホロヴィッツによる初めてのオリジナル・ミステリの長編です。

 名探偵アティカス・ピュントのシリーズで評判の作家、アラン・コンウェイを担当する編集者のスーザン・ライランドは、コンウェイから送られてきた最新作であるシリーズ第9弾『カササギ殺人:事件』を読み始めます。

 その物語は、 1955 年、村の准男爵の邸宅で、家政婦メアリ・ブラキストンが亡くなるところから始まります。家は戸締りがなされていて、掃除機のコードに足を引っかけ、2階から転落したことが原因で、事故と思われますが、メアリは村の人々のいろんなことに首を突っ込み、彼女を苦手とする村人は多くいました。彼女の息子と婚約していた女性は、アティカス・ピュントに相談を持ち掛けますが、事情を抱えるピュントは断ります。しかし、村でさらなる事件が発生し
、事態は一変することに……。

   *
 原稿を読み終えたスーザンは、かなりご立腹。しかし、現実世界でも事件が起き、探偵のように調査を始めたスーザンも、とんでもない目にあうことになってしまいます。

 …という、作中作と現実世界の2つの事件が楽しめる作品です。ある脅迫状と遺書をめぐっては、本文がタイプで封筒が手書きと、本文が手書きで封筒がタイプという、物語と現実の対称性があったり、現実世界の人々が物語の登場人物のモデルになっていたりと、わくわくする謎も盛りだくさんです。
 上巻では、創元推理文庫『カササギ殺人事件(上)』の扉とそっくりの、アラン・コンウェイ『カササギ殺人事件』の扉があって、こういうつくりも楽しいです。
 詳しくは書けませんが、ある仕掛けをめぐって、翻訳のすごさに感動しました(同時に、原書はどういう表現なのか気になりました)。そこだけでなく、全体として訳文がとても読みやすいです。
 これは面白かったです。良い読書体験でした。

(2024.09.22 読了 )

・海外の作家一覧へ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.12.31 12:50:49
コメント(0) | コメントを書く
[本の感想(海外の作家)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 第2部第…
のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 脳科学に…

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: