おいしい　千葉　～ponの食べある記～

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店に入って、ノートに名前を記す。５分くらい待ってからボックスの小上がりに通される。卓の上のメニューを見ると、以前にも増して品数が増えたようである。鰻・寿司・天ぷら・刺身・和食全般・デザート等々。ランチメニュー多数にセット多数、単品多数。本気で読んでいったら、本当に１日つぶせそうな分量がある。

結局、１年半前ここに来たときに頼んだのと同じ「潤井戸膳」にした。鰻・刺身・天ぷらのセットである。以前とは少し内容が変わっていて（鰻とご飯）は、鰻重に替えることができるし、上寿司に替えることもできる。このあたりのフレキシビリティはさすがだなと思う。スケールメリットを生かしている。

最初に前菜だけがやってきた。てっきり一度に持ってくると思っていたので意外だった。鰻のハム・うまき玉子・ヒレ味噌・肝豆腐。一皿での鰻づくしだ。ハムはスモークが効いている珍品だし、ヒレ味噌はまったり濃厚でとろっとしていて最高にいける。以前にはなかった趣向である。研究しているな。工夫しているな。思わずにんまりしてしまう。

次に天ぷらと刺身がやってくる。天ぷらにはもみじおろし、塩、天つゆが付いてくる。刺身はかつお・中トロ・ホタルイカ・ほたてなど。必要にして十分な顔ぶれが揃う。プリプリしてうまい。かつおやマグロは存分に脂がのっている。

鰻重・茶碗蒸し・肝吸い・新香・水菓子と最終便がやってきた。鰻重は（梅）と同じ内容である。フタを取ると、鰻の蒲焼きだけが持つ独特の甘い香りがプーンと立った。実にいい焼き色・いい照りをしている。山椒をパラパラ振ると、一部がふわりと浮き上がったようだ。その苦辛い匂いがタレの甘い香りと一緒くたになって攻めてくる。もうたまらない。

鰻重の食べ方だが。右ききの自分だと、手前左側から右方向にスクエアに切り取っていくスタイルでやっている。一度重箱を半回転まわす。最初に尻尾のほうを食べてしまう。先細りして肉も薄くなっていく貧相なこの部分が最後に残っているのは、ちょっとイヤな感じなのだ。そこをやっつけてしまえば、あとは充実した肉厚部に移っていくばかりだ。タレは十分に甘い。だが濃厚・濃密というわけではなく、どちらかといえば後味のよい中濃あっさり系である。

メロンの切れ目、茶碗蒸しの柔らかさ等々。細かい部分まできちっとした仕事がしてある。文句のつけようが無かった。

この店で心配していたのは各調理場の連携面だった。巨大な店舗・巨大な厨房ゆえの問題だろう。以前、この種のセットを頼んだとき、一部に冷めた品物があったのだ。食材に旬があるように、調理品も旬の瞬間（とき）がある。今はそれを逃さぬようにきちっと配慮しているようだ。五井の「丸金」の二の舞は、ここでは考えられない。時代をとらえ、客のニーズをとらえ、新しいものへの探究心も持ち続け、配膳等の機動力も身軽にこなしている。（さすが）と感心することばかりだった。

「うなぎ・寿司・和食処　八幡屋」
住　　所：市原市潤井戸１３０７－２０

電話番号：０４３６－７４－０００７
営業時間：１１：００－２２：００（ＬＴ/平日/１１：００－１５：００）
　　　　　　（ＬＴ/日祝/１１：００－１３：００）
定　　休：無休
客　　席：小上がり/テーブル/座敷/それぞれ多数/
利用種別：個人向き/少人数向き/家族向き/団体向き/接待向き/法事向き/
メニュー：潤井戸膳３９８０/八幡屋膳２８８０/松天丼１７００/鰻重（梅）１９００/
　　　　　　ひつまぶし１９００/うな玉丼２０００/二味重（白焼とかば焼）１９００/
　　　　　　二色丼（イクラ、ウニ）２０００/鉄火丼上１８００/三色丼２５００/
　　　　　　まぐろ中トロ２０００/鯛活き造り２８００/鯵のたたき７００/
　　　　　　帆立貝刺身６００/赤貝刺身１３００/たこぶつ５５０/金目鯛刺身８００/
　　　　　　いか刺身８５０/まぐろトロ３０００/うなぎ太巻１８００/　　　　　　　　　
評　　価：☆☆☆☆

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