おいしい　千葉　～ponの食べある記～

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チャーシューとん塩ラーメンを注文する。水がセルフサービスとなっているので、入口のほうのウォータークーラーに行った。使い捨てのカップ仕様でチープな簡便さ満載なのだが、この店にはマッチしているかも知れない。

上のカゴからゆで卵を手に取る。１つなら無料という嬉しい配慮がされているのだ。できあがりを待つ間、ツマミとしてやってもいいし、ラーメンにトッピングしてもいい。

カウンターの向こうから手渡してきた丼は、下にステンレスの受け皿を従えていた。口径も深さもやや小ぶりのそれから、スープが容易にオーバーフローする。

庶民が喜び讃えそうな美味しいビジュアルに満ちあふれた一品だった。菜類の炒め物がごっそりと浮沈している。玉ねぎ、もやし、ニラなどが、空腹時に見たらたまらなくなるような絶妙の油加減、炒め加減で四散している。その上に厚ぼったいチャーシューの切身が放射状にのり、さらにその真ん中に、刻み玉ねぎの小ボールを盛るという仕立て。

スープだけ飲むと明らかにしょっぱいのだが、それを菜類や麺と一緒にやると、不思議なまろやかさに精化してしまう。焼豚は、層がくっきりとしたバラ肉仕立てで、スープに漬かり十分に柔軟化されたそれは、ほろほろと崩れながら口中になだれこんでいく。その実質を、噛むか噛まないかの加減で噛むと、吸えるだけ吸ったスープと、肉の繊維質に格納されていた本来の肉汁の双方が、口の中にほとばしり出てくる。

充溢の極が、自分のもっとも身内で実行されている。これは（主にしょっぱさ系の）味覚に直裁に刺激された一つの人口滝だ。肉と肉汁と、具と具汁と、麺と麺汁と、スープと、それらに感応して滲みでてきた唾液とが織りなす混合の滝だ。

この一杯を食べるどの瞬間にも、脂ぎった塩というベース部が大いに幅を利かせている。醤油ギトギトで、しかもその醤油が濃厚となると、どうしてもその独特の臭みが表立ってしまうに違ないだろう。それが、ギトギトながら本来あっさりの（塩）がベースとなったこれなら、変な臭みが出ない上に、菜類系の甘みが潤沢に加味され、得もいわれぬ新ラーメンワールドを現出させてくれる。

都会風に洗練された訳でもなく、地元に根深く進化をとげた訳でもない。しかしこれは、紛れもなく竹岡系が、何らかの未来に向かって深化していく途上にある一つの好例であることに、だれも異論はないだろう。

思い出すと、また食べたくなってしまう。この一杯を妄想すると、食べているときと同種の唾液orよだれが自然と滲み出てきてしまう。そんな吸引力をもった魅惑の逸品だった。

「大ちゃんラーメン」
住　　所：君津市常代５－４２
アクセス：国道１２７号　松川橋を下り一つ目の信号を左折、３００Ｍ先右側
　　　　　　Ｐ（約１０台）
電話番号：０４３９－５５－０１４２
営業時間：１１：３０－１７：００（麺がなくなり次第終了）
定　　休：木曜日
客　　席：カウンター８席/小上がり３卓/
　　　　　（車椅子対応：不可）（喫煙制限：無）
利用種別：個人向き/少人数向き/家族向き/マニア向き/
メニュー：（ラーメン）
　　　　　醤油ラーメン５５０/とんしおラーメン５５０/味噌ラーメン６００/
　　　　　ねぎ醤油ラーメン６５０/ねぎとんしおラーメン６５０/
　　　　　ねぎ味噌ラーメン７００/チャーシュー麺７５０/
　　　　　チャーシューとんしおラーメン７５０/味噌チャーシュー麺８００/
　　　　（単品）
　　　　　餃子(5個)２５０/餃子ダブル(10個)４５０/餃子トリプル(15個)６００/
　　　　　メンマ（小）１００/（大）３００/チャーシュー丼３００/（大）４００/
　　　　　おつまみ入チャーシュー６００/
評　　価：☆☆☆☆
　　　　（味４/量/３．５/サービス３．５/雰囲気３．５/ＣＰ４/駐車場５）　

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