June 18, 2007
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カテゴリ: 侍が斬る


先週のSAPIO「ゴー宣」でもこの本が紹介されてましたね。



生きさせろ!
著者: 雨宮処凛
出版社: 太田出版

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
自己責任の名のもとに私たちを使い捨てる社会に、企業に、反撃を開始する!この国の生きづらさの根源を「働くこと」から解き明かす宣戦布告の書。


人材派遣会社、特にクリスタル(およびその系列)が相当に
法律を無視した労働者の扱いをしたお話。
人材派遣会社がここ数年でめっちゃくっちゃに成長したのは
何でやろうと俺も常々不思議に思ってたんやけど
こういう裏のカラクリやってんね。


貧しい人は、家を借りようにも敷金礼金保証金が払えない。
レオパレス21やスマイルサービスではその費用はゼロだが
賃貸者契約ではなく施設管理契約 である。
何が違うかというと、借地借家法に縛られない。

信頼関係が崩れたとはいえないが
施設管理契約だと、一日でも滞納したら出て行けといえる理屈。
そんなの知らんかったわ!世の中って怖いのね!!

生活困窮者でも知識がないために福祉を利用しない
福祉事務所に行きたくても仕事を一日でも休むと
次の仕事が来なくなるので出来ない、といった問題もある。
「生活保護申請マニュアル」 という本もあるので
本気で困ってる人がいたら教えてあげて下さい。


本当に困った人のための生活保護申請マニュアル
著者: 湯浅誠
出版社: 同文館出版

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
生活保護の取り方教えます!何をどうすれば、生活保護を勝ち取ることができるのか。



たとえ正規社員であっても過労死、過労自殺があるという問題にも触れている。
死ぬまで働くなんてホンマ、ジャパニーズやなあ。
自殺防止の電話番号は電話帳の1ページ目には載っていない

が強調されている。
俺が調べた番号をここに載せておこう
東京自殺防止センター
相談電話番号:03-5286-9090



フリーターの労働組合や(フリーター全般労働組合)や
労働問題に取り組むNPO団体(POSSE)も出来てきたようです。
ようやく少し明るいニュースやな。

見られがちなフリーターだが、週5日、1日7時間以上働いて
いるのが7割以上だそうだ。
それでも自給1,000円だと月給14万円で、都心部では決して楽ではない。
何故か 正社員 なのに社会保険に入ってない人が
13%もいるそうや?どうなってるねん?
残業代をもらっていないのが正社員で48%、フリーターで28%
知識のない高校生や立場の弱い女性性社員に被害が多いらしい。


この本の中で最高に笑えたのが 貧乏人大反乱集団 や、
高円寺ニート組合
という活動?イベント?飲み会?を主催したり、
素人の乱 というお店をやってる松本哉(はじめ)さん!

「貧乏人大反乱集団」は「もう暴れるしかない貧乏人が
金持ちを叩きのめす為の軍団」で警察には 「貧乏」 と縮めて
呼ばれてるらしい。
デモなんかすると警官に関係ない人が

「お前、貧乏 (のメンバー) だろう!」

といきなり言われ、ショック受けてたそうです。(笑)

「高円寺ニート組合」は06年夏に「家賃をタダにしろ一揆」というデモを起こし


「滞納は計画的に」

「広い部屋でSEXさせろ」

「ガビョウささせろ」

といった書かれた最強にくだらなないプラカードを
掲げて町を歩いたという。

大学在学当時、松本さんはオープンキャンパスの日に背広を
着て駅前に立ち

という看板を立ててみんな帰したり、
新宿駅前やヒルズに行って勝手に街頭鍋を始めたり。
この発想ってメッチャクチャに 沖っぽいやん!
60年代のような堅苦しい活動ではなく、毎日を友達と楽しみながら
メッセージを発しているのが最高に面白そう。
この松本さんのページ(P226~ )だけでも読む価値ありです。


本の全体的な趣旨として、フリーターの増加原因は
本人の能力ややる気ではなく 「持つ者」が作った法や
労働の仕組み、経済構造だと糾弾している。

なるほど。世の中には「フリーターはけしからん」と言ってる
人達も世の中にはいるが、ちょっと考えろや。
バイトという雇用形態がなくなれば、コンビ二もファミレスも
ファストフードも引越し屋もスーパーのレジもお水のネーちゃんも
みんなみんなみんな 正規雇用で雇う事になり、人件費は天高く跳ね上がりそれはサービス料金になって跳ね返ってくる。

格差を減らす為には、正規採用と不正規の待遇差を縮める事やな
雇用法上の問題が大きすぎる。
全く同じ仕事して違う給料ってのがそもそもおかしいからなあ。
ちなみにフランスなんかでは法律上、マクドナルドの
ネーちゃんも正規採用です。
これについてはパオロ・マッツァリーノ氏のHPに詳しいので
こちらも是非読んで下さい
http://mazzan.at.infoseek.co.jp/lesson8.html



雨宮さんの意見、言ってることもわかる。
でも前面賛成ではない。

本の中で、家計の事を考えて安い学費の
学校を選んだ中学生女の子が出てくる。
そのことに随分驚いているけど、
これって当たり前の感覚と違うのか?
俺も同じことしてたで。

10年前の社会なら正社員になれた人たちが、
雇う側の都合や法改変などの理由でフリーターや失業者
ホームレスになっていると言い、「自己責任論」を大否定している。
それはまあ分かるけど、本人の責任は本当にないのか?
どうしても自分を基準に考えてしまうし、俺が絶対正しいと思わんけど
高校時代でこう考えてたで。


俺は普通とは違う生き方をする
というかそんな生き方しか出来ない
普通に大学に行って就職はしない
でもやりたい事をやるには金が要る
手に職をつけよう

何が良いか?

英語を覚えよう
英語が話せれば世界中で働ける
日本経済がどうなろうが
この身一つで生き抜いてみせる
(90年代前半なので、バブルが弾けてからですが)



で、学校の勉強は適当に、英語のみ勉強し
金を貯めて留学し(日本より学費が安い)、今の仕事も英語力を
評価されて手に入れた。さらにステップアップする予定。

この程度の計画性と行動なしに生きてきて失業したなら
それはその人の過失と違うかな?





雨宮処凛公式HP
http://www3.tokai.or.jp/amamiya/

mixiブラック企業就職偏差値コミュ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1067680









86年 一部の専門職で派遣が可能に
96年 労働者派遣法改正 対象業種が16から26に増える
99年 対象業種がほぼ全てに拡大
04年 製造現場への派遣解禁
現在、全雇用者の 1/3 が非正規雇用である







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最終更新日  June 19, 2007 12:31:56 PM


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