全2件 (2件中 1-2件目)
1

人を死ぬほどびっくりさせたことがあります。振りかえれば、故意であれ過失であれ、よろしくない部類で人を驚かすことの多い人生であったなあ、なんつって、我ながら、そこはかとなく思ったりする今日この頃なのだけれど、そのなかでも「いやいや、あんた、そこまでびっくりするかね」と、驚かせた相手に逆に度肝を抜かれたってぇ話。それは、今から15年前、2004年3月20日の出来事。今の会社に入社したばかりで、まだペーペーの職人だった僕は、その日、ある古い戸建住宅のリフォーム工事をしていた。そのお宅は、高さ2メートルの擁壁沿いギリギリに建物が建っていて、建物と擁壁の間が60センチ程しかなかった。工事はキッチンの改修がメインで、僕達は宅内から屋外へ出た排水を水路に放流する為、人がギリギリ通れる間を、恐る恐る、注意しながら管材を運び、足場の悪い2メートル下の水路際に脚立をたてて、配管を擁壁に固定したりした。事故も怪我もなく無事工事を終え、会社に帰り、タイムカードを押して退勤しかけた僕に、当時の僕の上司が言った。「おい、お前、帰りがけに今日の現場に立ち寄って、トイレの便器の品番を控えてこい。」どうやら、便器の調子が悪いので、お客様に修理を依頼されたのだが、品番を控えてくるのを忘れたらしい。「お前の家、あっち方面だろ? 帰るついでに、ちょっと寄って、品番控えてこい。」断る理由もないので「へぇ、へぇ、わかりやしたぁ。」なんつって、帰宅途中に昼の現場へ寄り道することに。午後7時頃、昼間工事をしたそのお宅に立ち寄った。元請の建築屋さんが玄関を工事中で、インターホンがなかった。玄関先で叫ぶ。ごめんくださーい!・・・あれ?返事がない。ごめんくださーい!ごめんくださーい!・・・お留守かな?耳をすますと、キッチンの方で、テレビの音がする、あ、ご主人の笑い声も聞こえるぞ。テレビに夢中なのかな、どうしよう。しょうがない、昼間工事をしたキッチンの方へまわって声を掛けよう。僕は、闇の中を、2メートルの擁壁沿いの、人がギリギリ通れる建物との隙間を、城に忍び込む忍者のように、壁づたいに蟹歩きで歩いた。キッチンにある小窓から、明るい室内を覗くと、リビングが見えた。窓の外の僕の真向かいに小さなテーブルがあって、そこでご主人が一人で夕食を食べていた。奥さんがいない。風呂かな?ご主人は、茶碗の飯をかきこみながら、爆音でテレビを見て、大笑いしていた。後で知ったのだが、その日、ドリフターズのいかりや長介氏がお亡くなりになり、テレビは各局、いかりやさんの追憶番組を放送していた。ご主人は「ドリフ大爆笑」を見て、文字通り、大爆笑していた。ごめんくださーい!・・・気が付かねえ。窓を叩く。コンコンコン・・・気が付かねえ。・・・ったく、困ったな。僕は崖っぷちで立ち尽くし、一瞬不安になった。・・・まあ、いっか、そのうち気が付くっちゅーの。すぐそう思い直して、ご主人がこちらに気が付くまで、気長に待つことにした。暇だから、ご主人が夢中で見ているドリフのコントを、僕も窓にしがみつきながら見た。僕は、崖っぷちの小窓から、人の家のテレビを覗き込み、ドリフのコントをしばらく見ていた。あんた、神様かい?とんでもねえ、あたしゃ、神様だよ。志村と加藤が軽快な掛け合いをするコントの最中、やっと、ご主人が僕に気が付いた。味噌汁をすすりながら何気に窓を見たご主人と、漆黒の闇夜、人がいるはずない崖っぷち、小窓にしがみつき、ドリフを見て笑う僕との、視線が、ばっちり、合った。ぎゃあああ!ご主人、B級ホラー映画のように分かりやすい悲鳴をお上げになられた。そして、味噌汁を手にしたまま、椅子ごと後ろにぶっ倒れた。ご主人、倒れる途中、無意識に椅子の後ろ足二本でしばらくバランスをとって、なかなか倒れなかった。ご主人、足をバタバタさせ、絶妙なバランス感覚を見せた。宙を舞う味噌汁の、滞空時間、長い長い。ゆっくりと宙を舞う具材から、その晩は、ネギと豆腐の味噌汁だと判別出来たもん。ご主人、まさにドリフのコントばりに豪快にぶっ倒れて、僕の視界から消えた後も、テーブルの下から、うわああ、あわわわわわああ、と、ボーダーラインぎりっきりのうめき声を漏らし続けている。・・・・やっべえ、死ぬほどびっくりさせちゃった。ご主人、テーブルの上にひょこっと顔を出す。顔面蒼白、恐怖におののいている。僕は、大至急ご主人の警戒心を解かねばと、漆黒の闇の中から、これでもかと爽やかな、全身全霊、渾身の笑みを見せた。えへ。 えへへぇ~。ぎゃあああ!あれ? また、びっくりしとる。 何でじゃ? 何がいかんのじゃ?僕は慌てて、自分の顔を指差し、あごが外れるほど大きく口を動かしながら、ひ、る、の、す、い、ど、う、や、で、す。ひ、る、の、す、い、ど、う、や、で、す。ひ、る、の、す、い、ど、う、や、で、す。と、窓ガラス越しに、サイレントで申し続け、ご主人の読唇術に期待した。ご主人は、徐々に平常心を取り戻し始め、昼の水道屋の顔を思い出してくれた。味噌汁でびしょ濡れ、頭に白ネギをのせたご主人が、ふらりふらりと僕に近寄り、がらりと窓を開けた。僕 「どーもー、こんばんわー。」ご主人 「・・・こ、こんばんわ。」僕 「あのぉ~、僕ぅ~、便器の品番を調べに来ました!」ご主人 「はあ?」僕 「便器の!」ご主人 「便器の・・・」僕 「品番を!」ご主人 「品番を・・・はあ・・・どうぞ、お上がりください。」僕 「はーい! おじゃま致しまーす!」ふと見ると、つけっぱなしのテレビでは、いかりや長介が「もしものコーナー」のオチ間際。「・・・あのぉ、水道屋さん。」長介、頭から水をかぶり、ずぶ濡れになって、カメラ目線。「・・・あのぉ、すみませんが、玄関からお願いします。」しれぇ~っと小窓から家に上がり込もうとする僕に、ご主人が言った。「だめだこりゃ。」続けざま、長介が、僕に、そう言った。「メリーゴーラウンド」にほんブログ村
2019.02.25

愛知県長久手市「モリコロパーク」にあるサツキとメイの家に行ってきたぞぉーー!前回ぶらりと立ち寄った時には、当日券が売り切れてしまっていて、家族四人、チケット売り場前の地面がボッコリへこむ程、地団駄を踏み散らかし、ハンカチ四枚、きぃーーつって引きちぎる程、みんな歯噛みして悔しがりましたので、今日という今日は、事前に前売り券を買って、堂々たるご訪問だコノヤロー!ちゅう訳で、今回の「家曜日」は、サツキとメイの家ご訪問レポートです。ここんところ、何や知らん小難しい内容の記事が続いていましたが、今回はご安心を。思わず残尿ちびるほど、ゆっる~~い記事に仕上がりました。どうぞお気楽に読んでちょーす。さぁ~て、いよいよ待ちに待った、草壁家ご訪問です。ドキドキ。んじゃまあ、遠慮なく、おじゃあしゃ~~っす!おお! 映画で見た昭和30年代の昔ながらの日本家屋が再現されとるぞっ!うわ!すっげえ!映画のまんま!見てこれっ! ひさしを支える柱の朽ち果て加減も、このように忠実に再現してあるぞ。仕事が細っけぇ~~~。たしか物語の冒頭、この柱を見たサツキとメイが、ぼろっ!ぼろっ!つって叫んで、はしゃぎまわるんだよな。お、サツキとメイが、おばあちゃんとおはぎを食べた縁側で、うちのサツキとメイが休憩しとるがや。P子ちゃん、Oちゃん、念願の草壁家ご訪問に、超ハイテンションでーす。こちらは、考古学者のお父さん、草壁タツ夫さんの書斎。ちなみに、家屋内でのカメラ・ビデオの撮影は禁止ですが、このように外観から室内を撮影するのはOKですよ。お父さんとサツキとメイが、三人乗りしていた自転車。いや、こりゃまた、しっぶいねぇ~。サツキが、ばたばたと朝食を作っていた炊事場。お釜、鍋、おたま、タライ、はたまた押入れの衣類ケースの中のナフタリン臭い洋服から、タンスの引き出しの中の細かな雑貨に至るまで、家屋内にあるもの全てに手を触れることが出来るぞ。お姉ちゃん、井戸汲みしてます。お姉ちゃんは、二度目の訪問なので、手動井戸ポンプの扱いも慣れたものです。おっと、さっそく、妹が横取りしとる。妹は、井戸汲み、初体験。妹は、お姉ちゃんがすることを、すぐマネしたがります。うわ! 底抜けバケツ!たしか、映画にもこんなシーンがあったな。ほら! やっぱり、バケツかぶっとるっ!だははははは、まったく、妹っちゅうのは、マネっ子さんですね。さて、こちらは、草壁家の畑。てぇ~ことは、あれ、いっとく? あれ、やっちゃう?てか、姉妹で、あれ、やっとかないと、ここ来た意味ないっしょ?うーーーーーん。ぱぁーーっ!うーーーーーん。ぱぁーーっ!・・・ぽん!ぽん!ぽん、ぽん、ぽん!にょき!にょき、にょき、にょきぃー!このあと、この木の芽は、瞬く間に巨大な森に成長して、サツキとメイは、トトロと一緒に夜空を飛び回ったんだよな。いやぁ~、楽しかったな~、草壁家ぇ~。おじゃあしゃ~したぁ~。またいつか、ドカドカ押しかけたいと思うとりますので、そん時は、よろしくどーぞ。さて、その後、同パーク内で開催されていた催しに、ぶらりと立ち寄ったんすけどね。そこにあった、逆バンジーを、P子が、やりたいやりたいって聞かねーからさ、んで、まあ、ご覧のとおりっすわ。うちの子、空に舞い上がっちゃってまあーーーすっ!ぎゃはははは。いーぞ!飛べ!飛べ!彼女、この時、トトロと、飛んで、いたのかねえ。にほんブログ村
2019.02.10
全2件 (2件中 1-2件目)
1