真理探究と歴史探訪

真理探究と歴史探訪

2007年12月20日
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古来より「冬至」は、その日から太陽の日照時間が長くなることから、これを「一陽来復」の寿ぎの日とした。

かつての日本では、冬至の日に「新嘗祭」が斎行され、その年に採れた五穀を、天皇が神々に奉納し、自らも食するという収穫祭として、連綿と伝承されてきた。

そして現在では、明治初年度の「太陽暦」の導入以降、約1ヶ月早まって、毎年11月23日の「勤労感謝の日」に斎行されているそうだ。(旧暦では11月23日頃が冬至であった。)

さて、今年の冬至は12月22日である。この冬至の前日には、かつては「鎮魂祭」が斎行され、「十種の神宝」の呪術をもって、天皇の健康を祈願した祭儀が執り行われた。

つまり、古代日本における「冬至祭」は、冬至前日の「鎮魂祭」と、冬至当日の「新嘗祭」が、年末年始の節目の祭儀としてワンセットで斎行されてきたのである。


日本神話における「天の岩戸開き」とは、この「冬至祭」の祭儀の様子を象徴的に文章化したという見方もある。現在でも、宮崎県の高千穂地方に伝わる「岩戸神楽」、「神々のふるさと」とされる天岩戸神社では、今でもその神楽舞が伝承されており、また「岩戸開き」の伝説の地としても有名である。

ところで、古代人の世界観では、太陽は「岩窟」を出入り口にしており、夕方に太陽が沈むことを「岩戸閉め」、そして朝方に太陽が昇ることを「岩戸開き」と表現していたそうな・・・。

ということで考えていくと、年間で日照時間の一番短い冬至日前後に、おそらくは「太陽祭祀」のクライマックスとしての照準が合わされていたのであろう。

上述した「岩戸神楽」は、「1番」から「33番」まで演目があり、伝え聞くところによると、古くは冬至前日の日暮れの頃(岩戸閉め)から「1番」が始まり、冬至当日の日の出の頃(岩戸開き)を迎えて、最終「33番」の「天照大神の神楽舞」で締め括っていたそうである。






書籍紹介  「 聖徳太子と斑鳩京の謎 」 久慈 力 著  現代書館 2007.9/15初版


その内容によれば、冬至の真夜中に、真南から東方に約20度の方向から昇ってくる光輝く「シリウス」を信仰の対象としており、その角度を「シリウス信仰」の聖なる方位として、往時の太子が建てた斑鳩京の数々の建築物や道作りに取り入れてあるということだった。

この「シリウス信仰」は、太古からエジプトなど世界各地の著名な遺跡でその痕跡が見出されており、その起源は紀元前20世紀まで遡ることのできる「ミトラ教」ということだ。

そしてその「ミトラ教」の祭儀が、西欧では「キリスト生誕祭」や、東洋では「弥勒信仰」に投影されていったとのことである。


そうか・・・冬至にシリウスは南から東へ20度の方角から昇るのか・・・と考えていると、ふと「大嘗祭」の際に立てられる「大嘗宮」の「悠紀殿」と「主基殿」の両殿に共通する内装の見取り図が浮かんだ。

ちなみに、この「大嘗祭」とは、天皇の代替の際に斎行され、即位後に初めて行われる一世一度の儀式であり、年毎の「新嘗祭」とほぼ同じ日取りにして「夜中」に行われる祭儀が中心となる。

その「大嘗宮」の見取り図には、儀式の際に天皇が座す「御座」があり、その四辺形の御座の方向が、まさに真南から東方に約20度ずらして据えられているのである。



・・・天皇の代替の儀式に「シリウス」が関係している・・・



とするなら合点がいく。というのも、ある神秘情報によれば、日本の天皇家の淵源を辿ると「シリウス」になるそうなので、直感的に「なるほど!」と、私なりに納得がいったのだ。

さらに興味深いのは、「シリウス」は私たちの生かされている「太陽系」の親星に相当する、すなわち連星シリウスの周囲を私たちの太陽系は巡っているという見方があることだ。

例えば、「地球の直径」は「太陽系」の100万分の1であり、「地球と太陽の距離」は「太陽とシリウスの距離」の100万分の1という比率の関係にあるとされ、19世紀の天文学者は、この星系の比率を天体観測の単位として「シリオメーター」を提唱したそうである。





明日21日は冬至前日の「鎮魂祭」の日取りにして、明後日の22日は冬至当日の「新嘗祭」の日取りである。

となれば、21日の午後12時、あるいは同時刻の22日の午前0時を中心とする「子の刻(午前0時を中心とする前後2時間)」が、「シリウス」のひびきを体感するに相応しい時間帯と言えよう。

この転換期の節目となるその時を、共に実感してみようではないか・・・。



・・・・・・この時に あなたの中の その心 岩戸開きを 成さしめたまえ・・・・・・










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最終更新日  2007年12月21日 10時42分09秒


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