真理探究と歴史探訪

真理探究と歴史探訪

2016年01月25日
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冒頭の画像は、その登山口の駐車場から「花立池」越しに眺めた美しい「和尚山」の姿である。

この駐車場には当地の歴史をかいつまんで記した看板があり、すぐ隣には「足一騰宮(あしひとつあがりのみや)旧跡石碑」があった。その看板には、この石碑の由来が以下のように書かれていた。

・・・神武天皇の東征の折、日向から菟狭(うさ)に到着した天皇一行を、菟狭津彦(ひこ)と菟狭津姫(ひめ)がこの地に宮を造りもてなしたと伝えられている。・・・

実はこの「足一騰宮」については、宇佐神宮や妻垣神社など候補地が数カ所あるのだが、この文章を読んだ時に私の脳裏には・・・そうか、ここが本家本元の宮だったのか・・・という直感が走った。


そもそも今回「和尚山」を訪ねたのは、この宇佐の地域を拠点とした古代の菟狭(宇佐)族が、その精緻な天体観測と地文測量から聖地として定めた数々の特殊な地点があることを知り、その最も古い祭祀場として「和尚山」が挙げられ、かねてより一度は探訪したいと思っていたからである。

その宇佐において最古とされる「和尚山」が聖地とされた年代を、天文用PCソフトで古代の星の位置から推測すると、驚くことに BC3,200年(今から約5,200年前)頃と検出されるそうだ。

☆参考文献『 縄文の星と祀り 』 堀田總八郎 著 (中央アート出版・1997年刊)


さて当日の宇佐地域は、降水確率10%の曇りという予報だったが、実際には雨模様で現地の駐車場に到着しても小雨がぱらついており、果たして登れるだろうかと車を降りた途端に雲間から強い日光が照射したので、これを登拝了承の合図と判断して登り始めたのだった。

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ちなみにこの「座禅石」という名称は、和尚山という山名の由来でもある僧「法蓮(ほうれん・宇佐神宮の神宮寺であった弥勒寺の初代別当。英彦山や国東六郷満山で修行したという修験者的な人物)」が、この岩の上で座禅を組んで修行したことから付けられたそうだ。

◎〔 座禅石と法蓮 〕・・・山頂から150mの場所で僧法蓮が修行をつんだ巨石が座禅石。法蓮は医術で民を救い朝廷により703年に野40町を、また721年には一族に宇佐の姓(かばね)を賜っている。

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山頂を経て少し南方に歩いた右側の尾根から突き出た岩上の展望が上の画像である。標高327mと低い山ながら、山上からの展望は素晴らしく、その類まれな景観に時間を忘れてまどろむ自分がいた。

この展望抜群の岩からは安心院、院内方面がよく見渡せて、その向こうに由布岳や鶴見岳がかすかに見えた。そして下方を見ると、津房川と恵良川が合流して駅館川となり、周防灘へ流れていく風情がうかがえた。


そして下の画像は、同じ山上の稜線の南端方面にある岩上から、東方を展望した山並みである。

画像中央の遠方の山の頂きが、宇佐神宮の神体山「御許山(おもとやま・標高647m)」だ。図らずもこの和尚山の山上から、ほぼ真東に位置する御許山を拝することができ、感無量であった。

この「御許山」の山頂には「三柱石」という磐座があり、その設置年代を上記の天文ソフト等を駆使して割り出すと、BC2250年と検出されるそうである。(ちなみに現在の宇佐神宮の成立年代は、紀元400年頃とのことだ。)

その御許山の山上祭祀よりも古く、この宇佐地域において言わば「菟狭(宇佐)海人族」により選定された最古の祭祀場があったとされる「和尚山」・・・この度その山上の磐座群を初めて訪れることができ、身に染みて感慨深く思う今日この頃である。

※関連記事・2014年08月14日の日記⇒ リンク

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最終更新日  2016年01月25日 21時12分15秒


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