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1989年4月10日 父:76歳
‘先の手紙から5年が経過しています。この間手紙が無かったわけではなく、これまで紹介した手紙を何かの機会に見付けて、その時以後の手紙から保存しておくようにしたのだと思います。'
‘父の見舞いに対するお礼の手紙。
父はいわゆる「石屋」さんだったのですが、石屋さん特有の病気で長年苦しんでいました。俗に「硅肺症」という病気です。製陶業に多い職業病ですが、石や砂の細かい粉塵が肺に溜まる病気です。当時は、石屋さんを長くやっていれば必ず罹る病気と言われていました。'
拝啓
新緑の最も○ ‘? ’ ぎ佳い季期と成りました。
先般は御来岡下され有難く想ひ居ります。此度は想わぬ再度入院と成り御見舞下され、御二人の元気な ‘「な」は変体仮名' 様子拝見安心致しました。
何分、体力が弱って居るので、一寸の油断が此度の様な ‘「な」は変体仮名' 事に成る様ですので、これからは陽気も佳く春本番ですので、十分注意しながら体力の回復に努める心組です。退院も此の一、二日熱が戻りましたので、間近と想って居ります。
御高志に深く感謝申上げます。
御礼右まで
SK ‘父'
KO ‘母'
HM‘ 私'
様
ME ‘妻'
様
四月十日
‘別に義母宛てに。当時は、妻の実家に居候をしており、義父は2年ほど前に他界していた'
拝啓
退院後大変順調に回復し体重も二KG程戻り、喜 ‘略字'
んで居たのですが、再度入院と成り(肺炎)、一日大変寒い日が有り一寸油断したかと想ひますが、先回 ‘「回」略字'
は四、五日で平熱に成り、其のまゝ退院出来たのですが、此度はやゝ熱が高 ‘「高」は旧字'
く、此の一、二日平熱に戻りましたので、此の分なれば、遠からず ‘「ず」は変体仮名'
退院出来るでは無いかと想ひ居ります。
何分、体力が有りませんので医師の言に従い十分注意する心算で居ります。
先日は、結構な品御見舞に頂戴致し、其の上御高 ‘「高」は旧字’ 志迄御拝意 ‘ 下され厚く御礼申上げます。
乱筆御許し賜り度御礼迄で
SK ‘父'
IE ‘義母' 様