読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2008.05.31
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カテゴリ: 小説
あーーー、おもしろかった!!
推理小説はやっぱりこうでなくっちゃ!
長かったけれど、飽きるということがまったくありませんでした。


現代のミステリーにたいてい備わっている、スピード感やドキドキ感というものが、「砂の器」には全くといっていいくらいありません。そこにあるのは、犯人を遠巻きにしていた輪が、じわりじわりと狭まっていくのと同時に、犯人のおぼろだった像が次第にはっきり見えてくるような感覚です。
主役の今西刑事は、天才的なひらめきがあるわけではない。ただひたすら、地道にじっくり考え、しかも行動的である。けれど、それが目を瞠るような展開にもつながらなくて、読者もいっしょにじっくりじっくり今西刑事と共に考えながら読み進めていく。そんな醍醐味をたっぷりと楽しませてもらいました。


「砂の器」は、これまでに何度もドラマや映画になっているそうです。最近では、中居正広が音楽家を演じたとか。だけど私は、この小説は時代を現代に置き換えてドラマにしても、あまり面白くないんじゃないかと思うんですが・・・
何もかもが破壊され焼き尽くされた戦争を利用しようとした犯人の、追い詰められた気持ちがポイントだと思うから。


そしてもう一つ。この本は題名もいいですね。
「砂の器」・・・この題名じゃなくてはここまで感動しなかったように思います。









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Last updated  2008.05.31 21:38:42
コメント(10) | コメントを書く


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Re:「砂の器」 松本清張(05/31)  
charlenepurple  さん
本も良かったですが映画も好きな一本です。
冬の浜辺を行く子供と老人。
この老人を演じるのが加藤嘉、主人公が加藤剛、
刑事が丹波哲郎、脚本橋本忍、監督野村芳太郎、とくれば重厚さが伝わります。
志村喬、加藤嘉という渋い役者が好きです。
砂の器と聞くとあの浜辺の映像が浮かびます。
戦後の貧しさとハンセン病への偏見、這いあがる若者。清張氏は凄いモチーフを題材にしたものです。
是非レンタルで映画を見てみて下さい。
間違いなくお勧めします。 (2008.05.31 21:54:10)

Re:「砂の器」 松本清張(05/31)  
きたあかり  さん
こんばんはぁ~♪

>犯人を遠巻きにしていた輪が、じわりじわりと狭まっていくのと同時に、犯人のおぼろだった像が次第にはっきり見えてくるような感覚です。

細い糸を手繰り寄せる今西刑事の地道な捜査がこの作品の肝だと思います。 中学生でこの作品を読んだ私はその面白さにハマりましたが、それが殺人にいたる動機になりえるのか?という疑問を持ちました。 高校時代にハンセン病に関する本を読んでこの作品の核に触れることができました。 

charlenepurpleさんもおっしゃっていますが、74年の映画は秀逸です。 最近リマスター版が出たようでレンタルショップにもあると思います。  (2008.06.01 00:25:16)

Re:「砂の器」 松本清張(05/31)  
ばあチャル  さん
わたしもこの作品の地道な推理がおもしろく、印象深かったです。映画(古いほう)は主に犯人の深層に迫っていて、それに圧倒されました。特にこの映画のために作曲された交響曲が秀逸でした。

松本清張は題名つけの名人です♪でも内容がかたまる前に、つけたこともあるとか(笑)書いていらっしゃいますよね。
(2008.06.01 19:53:53)

Re[1]:「砂の器」 松本清張(05/31)  
ぱぐら2  さん
charlenepurpleさん
書き込みくださった3人の方が、皆さん異口同音に勧めてくださっている映画です。
次のお休みにはきっと見ようと思います。

それにしても昨今のミステリーと呼ばれる推理とは、一線を画す重厚な一冊。
「存分に楽しめた」と言える貴重な読書でした。
しかし、私は高校生くらいで一度読んでるんですよ。なんにも覚えてないけれど、その頃は、何を感じてたんだろう。 (2008.06.02 05:27:15)

Re[1]:「砂の器」 松本清張(05/31)  
ぱぐら2  さん
きたあかりさん

私もこの本は十代で一度読んでいるんですが、残念ながら記憶がまったくありません。
私は戦後の浮浪児の生きかたを主題に思って読みましたが、当時のハンセン病の現実もありますね。
深いテーマを推理小説という形に昇華している、すばらしい作品と思います。

映画、必ず見ますね。楽しみです。 (2008.06.02 05:36:51)

Re[1]:「砂の器」 松本清張(05/31)  
ぱぐら2  さん
ばあチャルさん

3人の方が異口同音に勧めてくださる映画、ほんとうに楽しみです。交響曲も。

そうなんですか。これからは、題名も意識して読んでみよう。しばらくは、松本清張にはまりそうです。 (2008.06.02 05:40:24)

Re:「砂の器」 松本清張(05/31)  
charlenepurpleさんのコメントでさっそくDVD借りてきて、今見終わりました。

深い。

泣きすぎました。

確かにこのタイトルだからここまで感動するってパグラさんの仰るとおりです。
(2008.06.02 16:04:45)

Re:「砂の器」 松本清張(05/31)  
cyn1953  さん
こんばんは!
昔、読んだような気もするくらい、遠い本になってしまいました。映画も見たような気がします。
これだけ皆さん絶賛する本と映画ですから、もう一度読み直し、見直しなければっ! (2008.06.03 00:00:44)

Re[1]:「砂の器」 松本清張(05/31)  
ぱぐら2  さん
デザイナーももさん
>charlenepurpleさんのコメントでさっそくDVD借りてきて、今見終わりました。

わあ!早い!さすがももさん、行動派ですね。
映画にもなりましたが、この本は4回もドラマになったそうですよ。
さまざまな時代にドラマ化されていて、それぞれがどんな風に表現されたのかというのも、ちょっと興味ありますね。 (2008.06.03 22:38:14)

Re[1]:「砂の器」 松本清張(05/31)  
ぱぐら2  さん
cyn1953さん
>こんばんは!
>昔、読んだような気もするくらい、遠い本になってしまいました。

私もそうでした。長い間ご無沙汰の松本清張でしたが、読み返してよかったです。
DVDも、ぜひ見ましょうね! (2008.06.03 22:39:22)

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