読書の部屋からこんにちは!

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2008.05.31
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カテゴリ: 小説
あーーー、おもしろかった!!

長かったけれど、飽きるということがまったくありませんでした。


現代のミステリーにたいてい備わっている、スピード感やドキドキ感というものが、「砂の器」には全くといっていいくらいありません。そこにあるのは、犯人を遠巻きにしていた輪が、じわりじわりと狭まっていくのと同時に、犯人のおぼろだった像が次第にはっきり見えてくるような感覚です。
主役の今西刑事は、天才的なひらめきがあるわけではない。ただひたすら、地道にじっくり考え、しかも行動的である。けれど、それが目を瞠るような展開にもつながらなくて、読者もいっしょにじっくりじっくり今西刑事と共に考えながら読み進めていく。そんな醍醐味をたっぷりと楽しませてもらいました。


「砂の器」は、これまでに何度もドラマや映画になっているそうです。最近では、中居正広が音楽家を演じたとか。だけど私は、この小説は時代を現代に置き換えてドラマにしても、あまり面白くないんじゃないかと思うんですが・・・
何もかもが破壊され焼き尽くされた戦争を利用しようとした犯人の、追い詰められた気持ちがポイントだと思うから。


そしてもう一つ。この本は題名もいいですね。
「砂の器」・・・この題名じゃなくてはここまで感動しなかったように思います。









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Last updated  2008.05.31 21:38:42
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