読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2008.06.12
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カテゴリ: 小説
たとえば、福袋を開けるときの気持ち。

早く中味が見たい。でも、楽しみはもっと先にとっておきたい。
どんな物が入っているだろう。気に入るだろうか。
気に入らない物だったらどうしよう。

実は人生も、福袋みたいなものなんだ。
いい物が入っているのか、そうでもないのか、開けて見なければわからない。
好みにバッチリ合って、うれしくて楽しくてしょうがないという物は、まずたいていの場合入ってない。中には、こんなのいらな~い!って言いたいものも、あるでしょう。けれど、そこそこ使えそうなもの、まあまあ付き合えそうなものが、いくつか見つかるはず。
それを大切に、楽しんでいけばいいんだ。



無理やり預けられた段ボールの箱。
ごみ置き場にあった、紙袋。
恋人のケータイ。
元夫に来た同窓会の案内。
赤ちゃんのおむつ。

いろいろなものを「開ける」ことが主題で、開けたことから主人公の人生がささやかに動く。
すみずみまで目が行き届くような、角田光代さんのタッチが優しくて、読み心地がとてもよかったです。

ところで、この本の表紙。
袋の中にこんなのが入ってたらうれしいだろうな、という女のこの好きなものがいっぱいあふれています。
バラやマーガレットや色とりどりのおもちゃめいた造花。
金色のちっちゃい額縁。耳がピンクのワンコ。

人生って、こんなかわいいものが詰まってるって、信じてた頃もあったのよね。







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Last updated  2008.06.12 05:59:55
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