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僕は英語が話せない 2005.7.23(土)(改訂版)

私は前期で何回出講したんだろうか。出講簿に印鑑を押すことになっているので、7月20日の前期最終日、数えてみた。
そうしたら55回、印鑑を押していた。週に4日通勤し、一日に2クラス講義をするのだが、それが1回のハンコ分。
とすると、55×2で、110回講義をしたことになる。自分でも驚いた。本当に今年の前期は通勤が大変だった。
4月25日にJRの脱線事故が起きてから、体が疲れた。明後日、事故から3ヶ月の日が訪れる。でももう遠い昔のようだ。
しかし事件を風化させたくないので、当時の新聞は保存してある。
S
ところで、大学では英語のクラスで2回、15行程度の英文を書く課題を出す。皆、英文科ではないのだが、本当に立派な
英文を書いてくる人が多いのに驚いている。でもその中に一人(他にもいるかもしれないが)I Cannot Speak English 

先生たちの責任だと僕は思う。僕たちに英語を話すという機会を何も与えてくれなかったからだ...」というもの。これは新聞
でも英会話学校の宣伝文句でも何回も見聞きしたので、慣れているけれど、こう堂々と英文を「課題」として書いてくると、
こちらの気分も「はて?」となる。

不思議だ。この人は「僕は英語が話せない」ということを、その原因や結果をきちんと英語で表現しているではないか。
ということは、もうすでに英語が話せる力が十分に備わっている、ということなのだ。「英語が話せない」というのは
一種の思い込みだ。「僕は人前で話すのが苦手だ」と同じようなもの。かくいう私も「私って英語が話せないから」という考えを
ずっと引きずってきた。

しかしある時、大学院を出て銀行系の職場に勤めながら、英詩の論文を書いて、母校の学会に投稿した。すると、その
論文を読んだ先輩から、大学での勤務のお話を突然頂いた。大学での勤務、すなわち教壇に立つことは、私にとっては
大変な冒険だった。銀行の前に、家庭教師や小学生の塾の先生をしたことはあるが、「大学で先生だなんて」と焦った。
何故かと言うと、「私は人前で満足に話せない」と思い込んでいたからだった。


できるようになった。それでも「英語の先生なのに、英語は私は話せない。これでいいんだろうか?」という不安は講師を始めて
7年間は引きずっていた。しかしそれは、私の引っ込み思案から来る「思い込み」に過ぎなかったのである。

職場では英語を母国語とするNative の先生方がおられる。私は彼らと話す前に、頭の中で話したい内容をさっとまとめる。
ちょうど今から英文を1~2行書く準備をするように。そして、あとは臆せず、声に出して話しかければ良いのだ。
"Excuse me, Mis..., but I have a question."とか"Excuse me, Sir, but today is

semester, isn't it? Please take care and have a nice summer holiday!" とか。その話す途中で多少文法が間違う
ことは十分有り得る。

だから「英語が話せない」というのは思い込みだと、その青年に伝えたい。確かに彼は中学・高校と英語は話す授業はなく、
お決まりの「英文法」「読解」「英作文」といった授業しか受けて来なかったのだろう。でも、彼が入学してきた大学では、
日本人講師によるReading Skill & Writing Skill の授業の翌日には、Native の先生方による English Speaking or
Communication Class (based on various cultural contents) がある。週に2回も、1日おきに英語を話す授業があるのだ。
それらのクラスで彼は、英語を話そうと努力したのだろうか?それとも「僕には話せない。というのも高校までの日本人の
先生がひどい授業だったからだ」と心の中でつぶやき、外国人の先生に"Please
answer it to me or explain it to me. Oh,
can you say nothing in English?"などと言われて、英語で"Yes, so." などと答えていたのだろうか?

例えば怪我をしたあと、リハビリをする。
その時患者の多くは「以前のように歩けないんじゃないか」という恐れだ。でも物は考えようで、そんな考えを捨ててしまえば、
ある日突然すっと歩ける。それと同じなのではないかと思う。思い込みは思い込み。ほんの一握りの努力で
どんな日本人も英語は話せるようになっている。少なくとも中学を出た時点から。その証拠に私の甥は、英語が大好きで、
英語を話すのはもう得意な中学3年生なのだ。

これはもう笑い話になっているが、海外旅行をする日本人は多い。でも日本にいても、今では街頭で外国人に話しかけられる
機会はよくある。そんな時、相手から"Excuse me, but...can you speak English?"と尋ねられる。その時の日本人の対応は、
驚く無かれ、英語である。日本人の決まり文句はこうだ。"No, no, I can't speak
English!"こう言って足早に立ち去ってしまう。
相手の外国人は驚く。「英語が話せませんって...あの日本人はそう英語で話していたじゃないか?」または、英語がなぜ
日本人は話せないか、を長々と英語で説明するという日本人もいる。

"We cannot speak English at all. Because Japanese English teachers never let
us speak English. The Japanese English
education system is so poor, that we cannot English."

相手のNative の人はこの理論と現実のギャップに声も出ない。
"Japanese are curious people as they can speak English very well, they
fiercely believe themselves that
they cannot speak English." (日本人は実に奇妙だ。上手に英語を話せるのに、自分たち自身で「英語が話せない」と信じ込んでいる
んだから)と、外国の人に思われても仕方が無い。





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最終更新日  2005年07月23日 20時20分46秒
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