公園人の散策記

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2005年12月10日
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カテゴリ: 懐かし話
土曜日の朝、目が覚めてテレビを点けると、「みのもんた」の情報番組をやっていた。
特に「これが見たい!」という番組があったわけではなく、たまたま点けたらこのチャンネルだったということだ。
まだ布団から起き出さず、まどろみ半分。
土曜の朝の情報番組というこということで、この一週間の世情を振り返るようなこの番組、今日の話題も相変わらず「マンションの耐震強度偽装問題」の続報が中心という感じだった。

いつの間にか「みのさん」の番組は終わっていて、続いて始まったのは子供向けヒーロー番組「ウルトラマンマックス」。

私が小学校低学年の頃に最初の「ウルトラマン」が放映されて以来、この円谷プロの特撮ヒーロー番組のシリーズは、約40年の時を経ても子供に根強い人気があるようだ。
私はシリーズ2作目(「ウルトラQ」を含めると3作目)の「ウルトラセブン」に思い入れが大きい。それは、単純な勧善懲悪ではない、子供向け番組としては珍しい考えさせられるストーリー展開があったり、印象的な映像表現あったためだろう。当時、小学生の私には、そんな理由付けはなく、単に他のウルトラマンシリーズとは違う何かを感じ取っていたのだと思うが、大人になって観直してみると、明らかに作品のタッチが違うものが判る。
ストーリー展開が勧善懲悪で割り切れない作品は、金城哲夫が脚本を手掛けた作品。その代表作が第42話の「ノンマルトの使者」。ウルトラセブンは全編を通して「地球侵略を狙う宇宙人との戦い」という一貫した路線があったのだが、この「ノンマルトの使者」では、地球上に人類以前に文明を持った先住生物がいて、人間こそが地球を侵略した「侵略者」だったのではないかという内容。人間のために海底に追いやられたノンマルトは海底都市を築いてひっそりと暮らしていたが、人類が海底開発を始めたため、ついに逆襲に転じ人類への攻撃を開始したという話である。日本人とアイヌ民族、アメリカ白人社会とアメリカインデアンあるいはアメリカ中心の国連とアラブ民族といった構図を連想させ、「勧善懲悪」とか「正義」という言葉では割り切れない内容である。
また、映像表現が子供番組とは思えない作品は、「円盤が来た」や「第四惑星の悪夢」に代表される実相寺昭雄が監督を務めたものである。逆光映像を使って登場人物がシルエットだけで映し出されるシーンや、本来ならこの番組の中心となるべきウルトラセブンの戦闘シーンを幻想的な映像処理であっと言う間に終わらせてしまったりと、子供にとっては難解でやや期待はずれな表現の作品が、逆に後々印象に残っているのである。

(パチンコ・ウルトラセブンでもスーパーリーチのリーチアクションに使われている)


前置きが長くなったが、
今朝、たまたま観た「ウルトラマンマックス」のオープニングシーンが、その「狙われた街」を彷彿させるものだった。そして映し出されたタイトルが「狙われない街」。ストーリー展開は40年前の「狙われた街」そっくりに作られている。
「狙われた街」では、人間の理性を失わせ凶暴化させる物質をタバコに仕込み、人類同士を争わせて地球を征服しようとしたメトロン星人であるが、今日の「狙われない街」では携帯電話のアンテナをターゲットに人間の脳を狂わせる電波を発信するという話になっている。40年前とは違い、昨今の世界的な禁煙・嫌煙の流れと、爆発的な携帯電話の普及が巧妙に脚本に盛り込まれているというわけだ。
舞台となっている街の名前が「北川町」というのも「狙われた街」と同じ。
ボロアパートでちゃぶ台を挟んで対談するシーンもちゃんと盛り込まれている。
しかし、メトロン星人は「もう地球もこの街も狙う必要はない」と言うのである。
「40年間地球に潜伏して見守ってきたが、もう攻撃しなくても人類は俺達の手に落ちると確信したから、自分の星に帰る」と言うのだ。
「人間は便利なツールを手にして、どんどん退化しはじめている」
「放っておいても人類は勝手に滅びる」
「低能化して、環境を破壊して、礼儀も知らない人類を、守る必要もないだろう」とウルトラマンマックスを諭すのである。

そして、夕焼けをバックに運河を挟んで巨大化したメトロン星人とウルトラマンマックスが対峙するのだが、今回は全く戦うこともなく、メトロン星人は迎えの円盤で帰ってしまう。
「えッ! 格闘シーンなし??」

このストーリー、40年前のウルトラセブン「狙われた街」を知らない今の子供達には、その面白さ、ペーソスは分からないだろう。いったいターゲットをどこに置いた作品だったのだろう。
偶然にもこの作品を観た私はとってもラッキーだったと思える。
映像の表現も40年前の作品をとことん意識した作りになっていて、そのことも嬉しかった。それもそのはず、監督は実相寺昭雄だったのだ。





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最終更新日  2005年12月10日 13時56分31秒
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