割愛されたお話)
一揆を鎮めた秋月家に大内家の家臣駒沢次郎衛門との縁談が持ち上がるが、深雪は心に決めた阿曽次郎と一緒になりたい一心で家出をしてしまう。ところが駒沢次郎衛門とは阿曽次郎が伯父の家を継いで改名した名前だった。お姫様育ちで旅慣れない深雪は、たちまち山賊につかまり人買いに売られそうになるが、山賊の手下の一人がそっと逃がしてくれたので、やっとの思いで脱出する。
笑い薬の段(笑えるお話)
いろいろの失敗を重ねた桂庵は落ちぶれて、路傍で「笑い薬」という怪しげな薬を売っている。
その効能は「親が死んでも、女房が間男しても、手代が売上持ち逃げしても」笑っていられるという不思議な薬らしい(何の役にたつのかわかりかねる)
道をとおりかかった人が「いつも苦虫をかみつぶした顔している庄屋に飲ませたら面白かろう。」と薬を買い求める。たまたま宿屋の主人戎屋徳右衛門も煙草の火を借りたお礼にと薬を買ってやる。
浜松小屋の段(聞くも涙語るも涙のお話)
深雪は様々な苦労と阿曽次郎恋しさに泣暮らし、ついに視力を失い、杖を頼りに三味線を弾きながら歌を歌う門付けをして露命をつないでいる状態。今は朝顔と名乗っている。
町のワルガキだちにいやがらせをされ、深雪が泣き崩れているところに巡礼姿の浅香がやってくる。深雪によく似た門付けをみて、はっとするが、まさかこんなに落ちぶれているとは思わず
「この辺で16、7の振袖姿の女の一人旅を見かけたことはありませんか。」(深雪は聞いたような声だと思う)
「そのような人は沢山通ります。名前だけでもわかりませんか。」
「名前は深雪様と言うのですが」
(深雪はびっくり、ここにいるのは乳母の浅香か、しかし今の自分の姿では名乗ることもできないと思い、とっさに嘘をつく)
「そのような名前の人なら、お気の毒にしばらく前に大井川に身を投げてなくなったと聞きました。その方をお探しなら、もう探すのはあきらめて国に帰って菩提を弔ってあげた方がいいですよ。」と自分の暮らす掘立小屋に入っていく。
ここで浅香のモノローグ
「お嬢様はもうなくなっておられたか、奥様の操様が病でなくなる前に『せめて私の位牌の前でいいから深雪を連れてきて』と頼まれて訪ね歩いた私の苦労も甲斐ないものとなってしまったのか。」
掘立小屋で浅香の話を聞いていた深雪も声を忍んで泣いている。そこで浅香はいったんその場から立ち去っていく。
深雪は人の気配がなくなったので、外に出て
「親の心配をよそに家をでて、親の死んだもしらず、ましてや命日も知らない情けないわが身。」と嘆き悲しむ。そこへ浅香が登場し「あまりによく似た顔立ちで、もしやと思って様子をみたら、やはりお嬢様だったのですか。それほど思いつめていたらこの私に相談してくれたよかったものを・・・
さあ今から家へ帰りましょう。すべてはこの乳母にお任せください。」
二人して、旅立とうとしたその時、深雪を買おうとした人買いが登場し、こんどこそは逃がさぬぞと深雪をさらおうとする。浅香は健気にも応戦して仕込杖で相手を仕留めるが、自分も深手を負う。
深雪に「困ったことがあったら、この守り刀をもって嶋田宿の古部三郎兵衛という私の父を訪ねなさい。」と言って息絶えるのだった。(この場面では、鼻をすすっている女性観客もちらほらと)
これで公演の第2部が終わり(第1部は子どもさん向けの不思議な豆の木(ジャックと豆の木を翻案したもの)などが演じられている)このお話の続きは第3部にて演じられる
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