幸せ探し

幸せ探し

2021年11月15日
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カテゴリ: 私のすきなこと


お筆

笹引きの段(ささびきのだん)
そこは宿屋の裏手。田畑を隔ての大藪。暗闇の中、上手奥から若君を抱いたお筆は、山吹御前の手を引き連れて、薮まで逃げて来る。
そこへ追っ手が現れ、お筆と立ち回りになる。お筆は追っ手を追いかけて行く。山吹御前と若君が残され上手からお筆の父親・隼人と番場忠太が斬り結びながら現れる。隼人も奮戦したが老人なので、忠太に撃たれてしまう。子供はまだ3歳と命乞いをする山吹御膳をしり目に忠太は若君を奪い取り、その首をはね、陣屋へ子の首をもっていこうと走り去る。お筆が戻って来るが、父親の隼人と若君の死を知り、愕然とする。
今までいつくしんで育てた若君の体を抱きたいと、暗闇の中、その遺体に触れると「笈摺(おいずる)=巡拝の際に着る袖のない法被」の手触り。これは、若君の遺体ではない、とお筆は気がつく(夢中で、抱いて逃げて来たので、それまでは気がつかなかったのか?)。宿で隣り合った一行の孫と取り違えていたことを初めて知る。お筆が、殺されたのは若君ではない、と山吹御前に伝えるが、安堵して緊張感が緩んだのか、もともと体の弱っていた山吹御前は、息絶えてしまう。
お筆は、父親の敵を討つとともに若君探索を決意しながら、せめて人目につかない場所に、御前の遺体を葬ってやりたいと、薮にある笹竹を切り取り、竹を橇(あるいは、御所車の見立てか)のようにして、山吹御前の遺体を笹竹に載せて、曳いて行く。この場面は、歌舞伎では上演されない。人形浄瑠璃独特の演出だ。ひとりで取り残されたお筆の悲哀が描かれる。

お筆が、山吹御前の遺体を笹に乗せて引いているシーン
国立劇場に飾られている。







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最終更新日  2021年11月15日 09時00分06秒
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