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Jul 3, 2005
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可愛がっていたペットが亡くなった時、私はよく、正直に全てを話すべきかどうかで悩みます。

もちろん、医療過誤などは論外ですけど。

4年前のある日の夜中、急患の電話で飛び起きました。
2歳のビーグル犬が泡を吹いて痙攣しているので診てもらえないかという内容でした。
私は10分で病院につきますとお話して、急いで連れてきてもらう事にしました。
本当は車を飛ばせば5分で病院に着くのだけれど、それから病院の明かりをつけて、検査機器の電源を入れたりする時間を見てます。
ところが私が病院に到着すると、その飼い主さんがすでに待っていて、どうやら病院の前から電話をされたようでした。
問題のワンちゃんは、私が到着した時すでに亡くなっていました。

腕の中で愛犬の命が消えていくのをずっと感じていたのでしょう。
到着した私を見るお母さんの表情が今でも忘れられません。
蘇生処置を施してみましたが助けることはできず、「残念ですが・・」と。
処置の間、初診の方だったので、比較的冷静だったお父さんからこれまでのいきさつ等を聞きながら、症状から予想できる病気や原因、重度のてんかんじゃないか?急に起こったと言うことは何か劇薬の中毒?まだ若いし先天的な心臓の病気はなかったのか?などなど。
頭の中では様々な疑問が湧き出してきましたが、そういう事を今更くどくどと話すべきだろうかという思いも、同時にありました。
科学的にきちんと原因を追求する事も、病理解剖などの方法もありますが、もしそれではっきりとした死因が判明したとして、例えばそれが薬物中毒であったら?ワクチン以外は病院に通った事もないとのことだったので、もしも健康診断を定期的に受けていたら発見できたかもしれない病気だったら?
最後にお父さんから「原因は何かわかりますか?」と尋ねられた時、
「はっきりした事は検査をしてないので判りませんが、恐らくは突然死だと思います。原因としては先天性の心臓病とか、発病するまでなかなか判らない病気が多くてほとんどは避けられません」
と説明しました。
突然死というのはあくまで結果であって、病因ではないという事は承知しながら、その飼い主さんには何でもいいから専門的な言葉が必要ではないかと。
検査も何もやってないわけですから私の中では嘘の診断なわけで、それで納得して頂けたかはわかりません。

悲しみは拭えないけれど、せめて自分を責めたり、他の誰かを責めたりしていつまでも負の感情に囚われることがない事を祈りつつお伝えしました。
それが正しい事だったのか、今後もそれで良いのか。
次にまた新しい家族を迎えた時のためにも、もしもこうしていれば避けられたかも知れないだとか、そういう事を含めて自分が感じた疑問を全てあの場で言うべきだったのか。。。


あるハムスターのお話。
他所の病院で皮膚病の治療を受けていた子が、かえって症状が酷くなったとの事で通院・治療を受けていました。

その飼い主さんが泣きはらした顔で朝一番に来られて、キャリー用のケースにはすでに冷たくなったその子が入っていました。
ようやく皮膚病も治りかけていたのに。
ご飯も良く食べて、とっても元気だったのに。
昨日は手に噛み付いてくるくらい、昔のやんちゃが戻って嬉しいやら困ったやらって話をしていたのに。
もしかして貰ったお薬(抗生剤)が良くなかったのでは・・
私は許可を得て冷たくなったその子を撫でながら、飼い主さんが泣きながら話されるのを聞いていました。
多分、噛み付かれた時に強く振るか、床に落とすかしたんでしょうね。
私にはどうしても「首の骨が折れてますよ」とは言えませんでした。
かといって、涙交じりに独白する飼い主さんに対して適当な言い訳をするわけにもいかず、病院をあとにする彼女に対して、ただ黙って頭を下げるだけでした。


私は職業柄、どうしても死に直面する機会が多くなります。
毎回そういう場面に遭遇した時、飼い主さんのように大きなダメージを受けていては次の診察にも響きます。
だからというのではありませんが、どんどん死そのものに対して麻痺していく気がします。
全てを背負い込んでしまって参ってしまうわけにはいきませんから、きちんと整理する必要はあります。
けれど、死に対して麻痺してしまってはいけないと思い、自戒の意味で今回の記事です。

ほとんどの獣医さんが、病気が治った子よりも助からなかった子の事を良く覚えてると答えるでしょう。
ペットロスではないけれど、関わったペットの死というものは、獣医師にも少なからず衝撃を与え、いつまでも消えないのだと思います。






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Last updated  Jul 3, 2005 02:09:15 PM
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