ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Apr 6, 2008
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「パクリと略奪。」

 メンデルスゾーンって、強烈な個性がなくて無難すぎる作曲家と思われがちだけど、室内楽だけは別。なかなかどうしてクセがあって、弾くたびに新たな発見があるわけで。

 歌心に満ち、愛らしいのに感傷的。健全かつエレガント。弾く者にも聴く者にも受け入れられる独特の魅力。1楽章や4楽章のみならず中間の楽章にキラリと光る珠玉の作品が隠れてるのもメンデルスゾーンの特徴。

 今日の練習では作品13の第1、3、4楽章を弾いた。僕は第2バイオリンを担当。

 この曲は、 先に練習したベートーベンの作品135 の翌年に書かれている。主題が似てるのは単なる偶然か、あるいはパクリ?
 音型も似てるし、言葉を乗せてる点も同じだし。

135_4.JPG
 ↑ベートーベン、作品135 Muss Es Sein?

isteswahr.jpg
op13a.jpg
 ↑メンデルスゾーン、歌曲 Ist Es Wahr? と作品13

 ちなみにこのカルテット、セカンドもおいしい。
 1楽章の最後、なぜかファーストは最後の音符を弾かない。いきなりセカンドがしゃしゃり出て、チャンっチャンっ!と曲を締める。
 かっくいいー……。この曲で一番気に入ってる瞬間。セカンドでよかったと思う。
 こうゆう下剋上ポイント、CDを聴いてるだけじゃ絶対に気づかないし。
op13.jpg1楽章の最後

 主役の座を奪われ、ファーストのパトリシア嬢は苦虫をかみつぶしたような表情をしてた。なんか申し訳なく思ってしまったお人好しの自分。

 もちろんほかの部分はファーストが活躍してるわけで、特に終楽章冒頭のレシタティーボなんて非常に劇的。パトシリアのご機嫌も回復。

 一方、曲の終わりかたはすごく地味。1楽章冒頭と同じことを繰り返すのは 彼のカルテット1番 Op12
 やはり最後の音符をファーストが弾くことはなく、セカンド以下三人でしっとりと和音を響かせる。

break.JPGマリオン(ビオラ)とチャールズ(チェロ)





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最終更新日  Apr 9, 2008 08:47:58 AM
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