ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Dec 21, 2008
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「最初はG(ゲー)」

 ここ数日の積雪で路面は凍結。しかもあまりに寒いので今日は全ての外出予定をドタキャン。家に引きこもり、バイオリンを練習して過ごす。
 っていうか、バイオリンに触るのはかなり久しぶり。←おい

 今日練習したのは、たまたま楽譜棚から発掘されたブルッフの協奏曲。無謀。
 一応、若かりし頃の自分が全楽章さらった形跡はあるものの、指があんまり覚えててくれてない。せっせとゼロからさらってたら日が暮れてしまった。今日は冬至?

 しかも、いきなり大曲をガン弾きしたもんだから、肩が痛い、腰が痛い、首が痛い。
 今から外に出て雪かきしなきゃいけないというのに、既にお疲れのご老体。

 この曲、弾くのも疲れるけど、聴く人をも疲れさせる、妙な難曲だと思う。何がイヤって、重音がキツい。

 1楽章の、音符をいっぱい詰め込んでたりするとこも強引。むしろ3楽章のほうがテキパキしててかっこよい。


 二ヶ月前にクレモナで立ち寄った楽器関連の見本市を思い出す。バイオリンを試奏する人たちが、こぞってブルッフの1楽章を弾いてたのがなんか可笑しかった。
 最低音Gの開放弦で始まり、四本の弦を順に鳴らしながら高音へと昇っていく冒頭の一節。



 楽器の特性を試すに最適な節、と言われてるのは知ってたけど、ここまで世界的に神格化され、「試奏の儀」に取り上げられてる曲だったとは。ほんと、会場ではあちこちでブルッフ大合戦だった。猫も杓子も、あんたもあたしも、みんなも社長さんも。

 ビオラやチェロ、あるいはピアノなどの楽器にも、試奏/試弾に適した曲というのがあるのだろか。

*****

 ところで、ブルッフって、一発屋と呼ぶにはかわいそうで、ほかにもいろいろ曲があるような気がする。個人的には、スコットランド幻想曲の3楽章を好んで弾いている。三連符でオケとねちねちと絡むとことかは萌えどころかと。

 室内楽にも隠れた名曲がありそう。
 去年ドイツを旅行中に楽譜屋をのぞいたときのこと。ブルッフのピアノ五重奏曲の中古譜が格安で売られてて、手にとってしげしげと眺めてたら、店員のお兄さんがブルッフについていきなり熱く語り出した。全然聞き取れなかったけど、Sehr gut! みたいなことを言ってた(ような気がした)ので、「あっそう、ゲナウ」とか申し上げて思わず購入してしまった。
 いつか挑戦してみたい曲のひとつ。





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最終更新日  Dec 22, 2008 01:10:17 PM
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