ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Aug 20, 2017
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カテゴリ: 映画、テレビ
「Love is over 哀しいけれど終わりにしようキリがないから」(評価 ★★★☆☆ 三つ星)

 第一次大戦前後を舞台に、美魔女カトリーヌと、ふたりの男子、ジュール(オーストリア人)とジム(フランス人)らの三角関係を描いたフランソワ・トリュフォー監督の傑作。主演女優はジャンヌ・モロー様。←先月亡くなったらしい

<感想>
 昔観たことがあるはずの映画なのだけれども改めて鑑賞。てか、内容は全く覚えてなかった。こんなにどろどろとした恋愛ものだったとわ。編集のせいなのかビミョーに展開がわかりづらい点を除けば、半世紀以上経た今でも充分に楽しめる作品。この映画が(過大)評価されてる理由のひとつは、女性が本能のままに奔放に生きることを肯定的に描いている点に違いなく。
 自己チューでめんどくさそうな女だから、いまどきの男だったらすぐに別れたがるだろうけど、そんな女だからこそ魅力があるというのもまた事実。
 オーストリア男子とフランス男子が第一次大戦でそれぞれの祖国のために闘うという設定。ってことは、つい先日観た 「フランツ、婚約者の友人」(2016年フランス) は本作品のパクりなのかなとか思ったり。←お上品に言い換えるなら「オマージュ」
 すごく文学的な台詞も出てきて唸ってしまった。気に入った台詞は、

「戦争という単語も死という単語も、ドイツ語では男性名詞だけれどもフランス語では女性名詞。逆に、愛という単語はドイツ語では女性名詞でフランスでは男性。」

 この映画の背景を考えると、妙に意味深。

<題名について>
 主役は三人で、彼らの三角関係(メナージュアトロワ ménage à trois)を描いてるのは明らかなのに、肝心のカトリーヌが題名から外れている点が興味深い。奔放女子に翻弄される懲りない男たちこそが真の主役ということか。
 一方、邦題「突然炎のごとく」は、予断を許さない彼女のみを指す表現と思われるわけで。







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最終更新日  Aug 21, 2017 04:01:31 AM
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