ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jun 23, 2018
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カテゴリ: 映画、テレビ
「らいおんハート」(評価 ★★★☆☆ 三つ星)

 突然ながら、このたびミュージカル「美女と野獣」を演奏することになり、大慌てで練習ちゅう。で、ちゃんと映画版も観ておくことに。

 この映画は、たしか2017年の全米映画興行収入だかで、スターウォーズに次いで二位だったとか。さすがディズニー様。
 だがしかし、そんな「全米が熱狂した国民的映画」すら素直に楽しめなかったひねくれ者のワタクシ。哀しいほどイマイチだった。締めはセリーヌディオン様に歌っていただいたり、あちこちに巨額を投入したわりには効果が薄かったよーな。星三つ。
 てか、アニメとかミュージカルで既に実績のある作品を実写化するのって難易度かなり高い。我々視聴者は無意識に現実味を追求してしまい、ツッコミながら鑑賞するはめになる。そもそも、実写を売りにしてるわりにCGを駆使しまくってて、それじゃアニメと大差ない。(それとも、観る側の心の余裕とか清らかさの問題なのか)

 人は見かけではなく中身が大切、と謳う民話のはずなのに、なにかがヘン。どうも居心地が悪い。
 おそらく野獣とガストンはもっと対照的に描かれるべきなんだと思う。つまり、ガストンは性格が悪く野蛮、という悪役キャラとして映画前半できっちり描いておかないと、視聴者的には後半で彼を憎むにも憎めない。暴れん坊だけどイケメンだし村人から信頼されてますみたいなビミョーな描写は視聴者を不必要に混乱させるだけ。
 野獣も野獣で、「もと王子」のくせして教養がない(字が読めない)という設定らしいのはさすがにヤバい。文学少女ベルが惚れる相手とは到底思えない。(ガストン以上に)短気で性格が悪かった彼が、優しい心を持つようになる急展開が強引。そして、魔法がとけると、実は野獣は白人で長身の美男でした、って、それぢゃますますガストンとキャラが被ってしまうわけで。
 そもそもベル嬢も、冒頭では、自立してるし美しいけど内向的でコミュ力のない不思議ちゃんという設定だったはずなのに、いつのまにか愛されキャラになっちゃってた。金持ち美男と結ばれることこそオンナの幸せ、あーめでたしめでたし、っていう結末も意外。


 ま、つべこべ言わず娯楽作品と割り切ればいい話か。ミュージカルを演奏するのは楽しみ。





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最終更新日  Jul 3, 2018 09:09:47 PM
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