ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Aug 9, 2020
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カテゴリ: 映画、テレビ
「不思議の壁 Wonderwall」(評価 ★★★★★ 満点五つ星)

 欧州サッカーの強豪マンチェスター・シティを一年近くに渡り取材したドキュメンタリーを鑑賞。
 同じイングランド北部でも、実力や規模の劣る サンダーランドを取材した番組(鑑賞した感想は ここ )も非常によくできた番組だと思ったけれど、今回も楽しめた。

 同市の同志マンチェスター・ユナイテッドとの因縁の対決(「ダービー」)や、宿敵リバプールとの対戦の裏側も見られてお得。あと、意外にも弱小相手に負けちゃったりもして、サッカーはどう転ぶかわからないから面白い。

 そもそも彼らは頻繁に試合があって超ご多忙。勝者だから勝ち抜いて忙しいというのもあるんだろうけど、図表にして紹介してほしかったぐらい。次から次へと相手を変え場所を変え闘いつづける。

 よって、監督(ペップ・グアルディオラさん)の手腕が試されるわけで、この人、只者ではない。素晴らしい監督さん。資料を収集/解析したうえで的確な戦略を練り、選手にわかりやすいく提示する。上から目線で偉そうにしてる印象を与えない。自分が信頼できる人材を指導陣に擁し、さらにはサッカー以外の畑(水球とか)の人の知識も活用。
 あと、名監督たるもの、試合当日は選手たちに対しどのような言葉をかけるのか。試合直前、前半終了後の休憩時間、そして試合終了後。そこまで映すかというぐらい舞台裏が撮影される。


 このグアルディオーラ監督や指導者たちはスペイン人、所有者や会長職はお金持ちのアラブ首長国連邦人。選手にもガイジンさんが多く、なんだかイギリスの団体らしくはないのだけれど、国際的なのはたぶんよろしいこと。
 彼らのように潤沢な資金がある団体は有利。これは紛れもない事実。同様のことはこのドキュメンタリー制作そのものにも言えることで、資金があったからこそここまで取材でき編集できたわけで。

 協賛してくれる企業や応援してくれる市民を説得させられるだけの実力とがないとカネも入ってこない。そして「好感度」も非常に大事。どんなにサッカーが上手くても、撮影を拒み、口下手でただ黙々と競技している選手や監督だけの団体は結果的には成功しないらしい。この世界でやっていくためには、話術に長けて(特に英語ができると有利)、見た目にも気を遣い、美女との私生活も多少は露出してむしろ堂々としてるぐらいの選手がちょうどいいのかも。

 見ごたえのあるドキュメンタリーだった。
 選手たちが競技場で蹴りまくり、支持者らが場内/場外で応援しまくり、映像的にはかなり賑やかな番組ともなりえたけれど、語りを担当なさってるのはベン・キングズレー卿。落ち着いた英国オヤジ声で淡々と語ってゆく。





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最終更新日  Aug 10, 2020 08:43:28 PM
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