ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Sep 21, 2020
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カテゴリ: 映画、テレビ
「嵐に架ける橋」(評価 ★★★☆☆ 三つ星)

 2012年10月末、こちらアメリカ北東部一帯でかなりの被害をもたらしたハリケーン「サンディ」。今日観たドキュメンタリは、その直後12月に行なわれた被災地救済音楽会の舞台裏を紹介したもの。会場はマディソン・スクウェア・ガーデン。

 せっかく「舞台裏に潜入」してるわけだし、もっと裏事情をいろいろ見せていただきたかった。実際の演奏場面も見応えがあったけど、ぶっちゃけそれは別の映像で観ればいい話だし。
 例えば、本番中にオンライン募金受付に不具合が生じてパニクったことかも一部始終をきっちり見たかった。
 あと、あれだけのセレブたちを誰がどうやって集めたのか、どっからどこまでどのぐらいギャラが支払われたのか、人選のみならず曲順決める過程とか準備段階のドタバタも知りたいというのは欲張りか。
 本番当日の放送演出家マイケルさんの仕事ぶりは興味深く観られた。

 当時の映画界を牛耳っていたハービー・ワインスティーンもどっぷり関わってたようで、その必殺仕事人ぶりも紹介されている。←彼が犯罪者(性的嫌がらせ変態男)として知られる以前の話

 いろんな歌手が入れ替わり立ち替わり楽屋や舞台脇でごったがえしてるのも見もの。
 そして、ご当地「ニューヨーク」をネタにした持ち唄がある歌手はやっぱりこうゆう時には強い。トリはポール・マッカートニー卿だったものの、大トリはなんとアリシア・キーズさん「エンパイア・ステイト・オブ・マインド」。てか、やっぱしニューヨーク人はこのお唄が大好き。ぼくの友だちが彼女の楽団で弾いてた時期があるのだけれど、この曲をNYでやると会場が異様に盛り上がるとのこと。そりゃそう。


 でも、なんだかんだ言って結局はポールマッカートニー様が全てをかっさらってた。しかも締めは、ヘイジュードでもレットイットビーでもなく「Live And Let Die」。なるほどな選曲。この催しの成功はポール様の人格と人脈によるとこが大きい。

 この音楽会を観る被災者の心境も紹介されていたけど、泣かせる演出では決してなくて、あくまで前向きなのは良かった。
 被災者救済のその後とか見てると、良くも悪くもニューヨーク的(さらにはニュージャージー的)という印象を持った。精神的に打たれ強い者、口が達者な者だけが世渡りに成功していく。そして下品な冗談もぶっ飛ばすぐらいがちょうどいいみたい。

 実は、あのときの嵐ではぼくのとこも一週間近く停電になって、しかもそんな最悪の時期に友だちが亡くなってかなり辛かったのだけれど、温かい食事を食べさせてくれたり温かいシャワーを浴びさせてくれた人々には今でもほんとに感謝感謝。





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最終更新日  Sep 23, 2020 09:34:17 PM
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