ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Apr 3, 2021
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カテゴリ: 映画、テレビ
「This is イット」(評価 ★★★★☆ 四つ星)

 二人の男性が、それぞれ子どもの頃にマイケル・ジャクソン氏に虐待されたと証言するドキュメンタリー。家族ぐるみでジャクソン氏と親しくしていたが、やがて彼と寝室で二人きりになることが増え、あんなことやこんなことをした(された)と詳細に語りまくる。

 感想としては、このドキュメンタリー、長い。確かに真実味はあるのだけど、もっとメリハリのある編集はできなかったものか。
 あるいは、ほかの第三者の関係者(豪邸内で働いていた人など)からの証言も取材できてたらもっとよかった。

 ただ、せっかく被害者とその家族に直接取材しているのに、皆さんいつ何が起きたか詳細に説明するのに忙しく、彼らの率直な心情、苦悩そのものが思ったよりは明確に語られてはいない印象。つまり、マイケル氏に対する感情が、純愛なのか憎悪なのか、嫉妬なのか。彼らも気持ちの整理がついていないもよう。
 そして肝心の加害者(とされる)マイケル氏は亡くなってしまっており、いまさら本人を糾弾することもできない。てか、まだ生きていたとしたら彼らは告発しただろうか。

 金持ち有名人の私生活の一部となって自分が得られた精神的快楽、優位性、充足感というのがやっぱり厄介なんだと思う。見えるものも見えなくなってしまう。

 どっちもどっちなんじゃねと思うけれども、こうゆう番組って、当該者の立場になって観るとだいぶ印象が変わってくる。つまり、マイケル、被害児童、そして児童の親、の三者それぞれの立場。

一、もし自分が大衆歌謡界の頂点を極める歌手で、富と名声を手にしたとしたら。しかも、実は可愛い児童に惹かれる性癖を持ち、その衝動を抑えられなくて悶々としていたら。



一、もし自分の幼い子どもが、世界的な有名人の自宅で二人きりで過ごすことになったら。

 どの立場であったとしても苦しい。

<おまけ:この番組に出てくる英単語三選>
 star-struck 有名人に夢中になる、ミーハー状態の
 hide-out 隠れ家、アジト
 lewd act わいせつ行為





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最終更新日  Feb 24, 2024 10:35:50 AM
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