ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Apr 7, 2021
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「ドルチェ&頑張んな」

 今週はモーツァルトのソナタK481に初挑戦。カラオケのピアノに合わせ、三楽章全て弾いてみたのでその感想を。

 嬉し恥ずかし変ホ長調。楽しく弾けるのは想定の範囲内として、この曲は第2楽章アダージョが色艶ある名曲なので驚く。この楽章は即お気に入りに登録決定。転調のしかたがかっこよい。記譜のしかたも凝ってる(バイオリン譜とピアノ譜で転調する箇所がずれてたり、二重フラット/二重シャープが使われてたり)。転調の美学が感じられる佳曲。

 モーツァルトご本人によるものというよりかは、編者の書き込みなのかもしれないけれども、楽想指示語がピアノ譜ばかりに書かれていて、バイオリンはあくまでお飾りというのが明確に見てとれる。
 あと、dolce という単語について。
 一般には、甘く、愛らしく、柔らかに、みたいな意味とされているけれど、特に室内楽の場合、自分の譜面にドルチェと出てきたら、「ちょっと目立ちぎみに」という解釈で弾くとうまくいく。つまり今までやってたことは伴奏であり、ここで自分に旋律が回ってきたと考えてよい。espressivo とか cantabile ほどにガン弾きすべきではないけれども、主旋律としてしっかり弾いたほうがいいときに使える便利な単語。むしろ、可愛らしくふわふわ弾いてる場合じゃないことも多いのでややこしい。

 逆に言えば、他の奏者にドルチェの番が移行したのであれば、自分は遠慮ぎみに弾くべし。

 これは、特に弦楽四重奏、五重奏、六重奏とか弾くときには意外に重要なコツ。






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最終更新日  Apr 8, 2021 08:30:32 AM
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