ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Nov 22, 2021
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カテゴリ: 映画、テレビ
「世界の果てまで行って喰う」(評価 ★★★★★ 満点五つ星)

 故アントニー・ボーデインさんに関する映画。日本(語)では未公開のもよう。
 カリスマ料理人、文筆家、テレビ出演者などとして国民的人気者であり、家族や友人からも愛されていたが、2018年に自ら命を絶ったボーデイン氏の人生の光と影。ちなみに、こんな人→ https://ja.wikipedia.org/wiki/アンソニー・ボーディン

 ぼくの評価は五つ星。ドキュメンタリーとしての完成度もいー感じだし、何より彼を肯定的に(美化して)描いてるから救われる。監督さんのお名前はモーガン・ネビル。

 てか、ぼくはもともとトーニー氏の料理とか番組についての知識がほとんどなかったのだけれど、自殺が報道された後しばらくのあいだアメリカぢゅうが大騒ぎになって追悼してるの見て驚いた記憶がある。てか、特にニューヨーク市民のあいだではおそらくどのセレブ料理人よりも絶大な人気があった。

 彼は基本的にはお騒がせ氏なのだけど、憎むに憎めないキャラであることが画面を通じて見て取れる。コカイン乱用などの黒歴史も赤裸々に撮影隊の前で語るし、酒も煙草も女も大好きなフツーの人間臭いおじさん。離婚歴が二回あり、娘を持つ父親でもある。

 実際、この映画は彼に関する予備知識がなくてもわかりやすく、丁寧に展開されててお見事。生前の映像もよくここまで集めたものだと感心する。
 料理や飲食店経営の手腕に関する描写はほとんどなく、むしろ彼の人となりに焦点を当てているのは効果的だった。料理人としての彼を知りたければほかの動画を観りゃいい話だし。
 世界ぢゅうを華々しく飛び回って現地の食文化に触れる一方で、貧困地域、紛争地域での庶民の暮らしをも見て、いろいろと人間の営みの矛盾に悩んでいた様子。


<追記>
 このドキュメンタリーではご本人の声でいろいろと説明がなされてて、それらは実際に故人がしゃべった音源を使用してるものとばかり思っていたら、一部の語りは、人工知能による音声合成技術(業界用語ではdeepfake technology)でもってして造り上げられた声とのこと。これはさすがに賛否が分かれるところ。





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最終更新日  Nov 24, 2021 01:48:17 PM
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