耳(ミミ)とチャッピの布団

耳(ミミ)とチャッピの布団

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

monmoegy

monmoegy

Favorite Blog

テレビを見て作った… New! marnon1104さん

移住 11月27日 New! ララキャットさん

小雨がずっと続いて… New! 空夢zoneさん

歯医者さんに New! パパゴリラ!さん

大雨だぁ~ New! あきてもさん

Comments

danmama313 @ Re:三峡老街へ(11/27) New! 台湾は古い建造物を大切にしていて大好き…
ララキャット @ Re:三峡老街へ(11/27) New! 歴史を知って訪問すれば、また感覚が違い…
marnon1104 @ Re:三峡老街へ(11/27) New! 三峡、日本統治時代の建物が残っている そ…
パパゴリラ! @ Re:三峡老街へ(11/27) New! 山峡街は日本統治時代の建物が並ぶとあり…
moto,jc @ Re:烏来老街にいく(11/26) New! おはようございます ビビアン・スーさん…
Oct 7, 2023
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
クレオパトラと云うのは大のバラ好きで、シーザーやアントニウスをエジプトに迎えるとき、アレクサンドリアの宮殿全体をバラで飾り、廊下にはバラの花びらを敷きつめて歓迎したらしい。

しかし、クレオパトラの時代って航空便あるワケないし、どこからバラ仕入れたのでしょうね?

以前、こちらのプログでバラ香水の原料ローズオイル(バラ油)の一大生産地はブルガリアだとご紹介しました。
1kg のローズオイルを得るのに、1ヘクタールのバラ園が必要で、150万枚にも及ぶバラの花びらを採集してるのですね。
そのローズオイルの輸出先筆頭はフランスです。
ここでローズオイルを香水に加工するワケです。
今どき、日本の女性で香水プンプンさせてる人ってめったに見かけませんが、体臭のキツイ欧米人なんかにはまだ香水の需要って多いのですかね。
私は若いとき、ロシアのボリショイ・レニングラード バレエの公演仕事をしたことありますが、カワイイ幼気な女性バレリーナー全員が踊り終わった後のワキガに似た体臭にヘキエキしたものでした。


このダマスクローズを蒸留して作られるローズオイルは化学合成された香料ではとても代替することができず、貴重な天然香料として大切にされているのです。
ローズオイルそのものぢゃなくて、ダマスクローズ自体の生産量はブルガリアではなく、トルコが世界一なんですね。
他にはイランのダマスクローズも有名で、ダマスクローズは別名「ペルシアンローズ」と呼ばれており、ダマスクローズの原産地そのものがペルシャ(現在のイラン)なんです。
イランのペルシャ帝国で、紀元前12世紀ごろゾロアスター教徒によって栽培が始まったとされ、ダマスクローズで香り付けされた水(バラ水)を宗教儀式に用いていたと云われてます。


インド人って、実は香水好きなんですね。
インドが輸入市場を自由化する前、海外旅行するインド人にとって最も人気のある買い物の1つが香水だったのです。
今ではインド国内に外国ブランドやインドブランドの香水が溢れてるらしいです。
そんなインドの古都に「カナウジ」と云う都市があります。
有名なタージマハルのあるアーグラから車で約3~4時間のカナウジは、どこにでもある埃っぽい北インドの街のように見えます。
しかも周辺の街道には追いはぎが横行するという物騒な土地ですが、7世紀初頭のカナウジがカーニャクブジャと呼ばれた当時、ヴァルダナ朝のハルシャ・ヴァルダナ皇帝がこの地を首都として四囲を征討し、広大な版図を統治してその文化は最高潮に達しました。
当時、この地を訪れた「西遊記」で有名な玄奘は「大唐西域記」で、カナウジを曲女城(きょくじょじょう)と記し、その繁栄ぶりや当時のインドの人びとの正直で誇り高いようすを記しています。

それは、いくつもの家族が何世代にもわたって「アタール(オイルベースの香水)」の製造に従事しているからで、特に「ダマスクローズ」を使ったローズオイルが特産品なんです。
ここでは、ローズオイルから香水はもとより、エッセンシャルオイルや石鹸、シャンプー、食品などの香料、さらには医薬品まで作られており、製造過程で出る蒸留液も無駄にせず、沈香やお線香の原料として利用されています。
何十年か前、カナウジには700のローズオイル蒸留所がありました。
現在、その数は100未満になってしまいました。
カナウジのアタール製造で興味深いのは「デグ・バプカ」と呼ばれる非常に労働集約的で時間のかかる水素蒸留プロセスを頑なに守ってることです。


ダマスクローズの花は、日の出前にとげのある茂みから手作業で摘み取られ、その日のうちに蒸留所に送られます。
カナウジのあるウッタル・プラデシュ州は、ラジャスタン州とネパール山脈の間にあって、この州の奥深い谷あいに、たとえようもなく美しいバラ園が広がっているのです。
花びらを1枚1枚摘み取り、大きな籠に丁寧に並べていく。
籠のなかで花びらが重なったり傷んでしまったりしないよう気を配りながら、現場監督のもとに運ぶのですね。

午前9時頃には気温が上がり、夜の間たちこめたバラの香りが消えてしまうので、それ以降の仕事は翌日に持ち越されます。
ガンジス川から数km しか離れてない土地ですが、バラ園周辺は乾燥していて、息が詰まるような暑さになります。
そんな土地でも、バラのなかでも特に暑さに強い丈夫な品種のダマスクローズは咲いているのです。


摘み取られたダマスクローズの花は、蒸留所で少量の冷水とともに大きな銅製の鍋に注がれます。
薪や牛フンを使って火を起こし、水を4~6時間沸騰させます。
こうすることで、熱い蒸気によって花のエッセンシャルオイルが放出され、それが凝縮して竹パイプを通って受けポットに流れ込むのです。

調香師の仕事は複雑です。
鍋が過熱し過ぎると、香りがスモーキーになりすぎます。
鍋を加熱する時間も重要です。
これらの技術は伝統的に父から息子へと代々受け継がれてきました。








インド国内でのカナウジのローズアタール最大の顧客は「噛みタバコ業界」です。
ピュアローズオイルは口から摂取しても安全な天然成分なので、ほんの一滴で大量のタバコの風味を付けるのに充分なんですね。
インド国外で最大の市場は中東です。
アタールがインドと中東両方のイスラム教徒に高く評価されている理由の1つは、アタールが完全に天然由来で、アルコールを添加しなくても身体に直接塗布できるためです。
ここが溶剤と混合してアトマイザーで噴霧する現代の香りとは異なる点なんですね。
しかし、カナウジがいつまで伝統的なアタールの供給を続けられるかは分かりません。
今の世代はモダンな香水にしか興味がないので、古典的な製法の香水需要がどんどん減っているからです。
現にカナウジではローズアタールを製造する工場がどんどん閉鎖されていて、代わって冷凍工場の街と化していってるのです。
植物性の香油「アター」は吸湿性に富んだラクダ革の瓶に入れられ、何ヶ月も熟成される製法で、1kg が3,000$にもなるのですが、それでも造り手はどんどん減っているのです。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Oct 7, 2023 05:10:11 AM
コメント(5) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: