ヨカッタ探し

ヨカッタ探し

November 9, 2005
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カテゴリ: 読書ろぐ(mystery)
今日はバイトも学校もない日でした。
家で1人酒…の習慣はないのですが、昨日はコンビニで
ビールを買って帰宅。
ここんとこまた睡眠不足が続いていたので、本を読みつつ、
ビールを飲んで、ゆっくりたっぷり寝てしまおう作戦です!!

恩田陸『夏の名残りの薔薇』

選んだ本は、恩田さんの『夏の名残りの薔薇』。
本格ミステリ・マスターズの1冊です。
先日、図書館で借りてきました。
本格ミステリ・マスターズでは、加納朋子さん『虹の家のアリス』、

北村薫さん『街の灯』に続く4冊目、になります。
どれもなかなかレベルの高い作品でした。
わたしの印象では、外れナシ。
唯一、難をつけるとすると…シリーズ共通なんでしょうか?
装丁が少し、安っぽい感じがするんですけれども。
…とか思って奥付をみたら「装丁:京極夏彦 with Fisco」(ノ゜o゜)ノ
し、失礼しますた…。

えっと、わずか350ml×2缶のビールが小気味よいほど効いて、
面白かったのに、途中で寝てしまいました。おやまぁ。
つくづくお酒に弱くなったものです…。
巻末のスペシャル・インタビューの中で、恩田さんが

ビール党だと仰ってましたが、わたしもかつては、
「とりあえず」ビール、「中休みで」ビール、「しめも」ビール、
というほどのビール好きだったんですが。

で、今日になって続きを読みました。
うーん、恩田さんらしい…幻想的というか、ミステリアスというか。

そこで紡がれる物語は、どこまでが真実なのか?!
結局、殺人はあったのか、なかったのか…
昨夜のほろ酔い加減の頭では、あれあれ??という感じでした。
これが本格なのか?と言われると、わたしなんかは「うーん」と
悩むところですが、恩田さんの「本格」定義によれば、
本格ミステリ=<説得の文学>、理屈がどんなに突飛でも、
「作者が説得して、読者が納得すれば」本格ミステリ、なのだ!!
ということは、この物語も読者が納得すれば、
本格ミステリ、ということですね~。
ううう。でも、わたしはやっぱり着地点が一つにピタッと決まって欲しい。
その着地の美しさが、読後のカタルシスになると思うのですよ。
なので、この物語は恩田流ミステリ、と位置付けるのは
やぶさかではないのですが、これぞ本格!とは言い難い。
…つまり、わたしは納得できない読者の1人、か(苦笑

本格論議に入らなければ、これはやっぱり逸品です。
恩田さんらしく、現実と幻想の境目が曖昧で、
各章で語りの視点が変わることで、登場人物像をより立体的に、
描いていると思います。
貫井さんの『プリズム』を思い出しました。
でも、恩田さんの場合、それをトリックとしてではなくて、
ごく普通の筋立てにしているからそこがすごい。
この物語全体が「去年マリエンバートで」という名作映画への
オマージュにもなってるようです。
この映画、他の小説でもよく登場するので、
<ありもしない出来事を見知らぬ男に吹き込まれているうちに、
それを真実だと思うようになるヒロインの話>
ということはなんとなーく知ってるんですが、観たことがないので、
ここまでベースにされると、観てみたくなります。







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最終更新日  November 9, 2005 04:47:56 PM
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