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世の中は江戸から明治に変わろうとも、妖たちは跋扈している。 ※ ※ ※「しゃばけ」シリーズを大人向けにして、少しダークにした感じです。この匙加減がいいですねえ。これ以上怖いと私にはダメ。「花乃が死ぬまで」がよかったです。花乃の一途な恋心に胸キュン。まだまだ解明されていない謎があるから、続編出るかもね。
November 13, 2013
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死神の千葉が長編で帰ってきた。 ※ ※ ※娘を殺された山野辺夫婦と千葉の会話が軽すぎて、最初は嫌悪感を感じるほどでした。ごめん、私が悪かった。本質を理解していなかった。そうよね、冷静になって復讐よね。本城は正統派の悪者ではなく、「マリアビートル」に出てきた王子みたいなタイプ。キーッ! 出てくるたび、アドレナリン全開よ。伊坂さんって伏線の張り方が上手だな。感心してしまいます。スマホが登場するのが今風。私が小説書くとなると携帯電話なんか出てこないわよ。風情がないもの。千葉は愛すべき死神だなあ。
October 31, 2013
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出版社勤務の小酒井都さんは名前の通り、お酒が大好き。 ※ ※ ※最初からくすくすと笑わせてくれたけど、「王妃の髪飾り」では抱腹絶倒。絶対二人の考えているブツは食い違っているだろうが。そんなものいくら何でも受け取らない。コピーなんか取らない。人に見せない。突っ込みどころ満載です。くれぐれも飲み過ぎには気を付けようと思いました。本作にはたくさんの酔っぱらいのエピソードが出てくるけれど、北村さんはあまりお酒を飲まないので、色々な出版社の編集者から話を聞いたそうです。実話? わー、世の中にはすごい人たちがいるのですね。表紙のイラストの眉毛のある猫がかわいい!大野隆司さんという木版画家です。
October 13, 2013
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江戸の吉原で連続花魁殺人事件発生。一方、大工の幸助はおように思いをよせる。 ※ ※ ※誉田さんって時代物も書いていたのですね。でも吉原の遊郭がどうのこうのという話は私には合わなくて、途中で読むのやめようかと思ったけれど、何とか最後まで読みました。もうひとりの女の子はあれだなとか、先が読めました。
October 9, 2013
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「とり残されて」「おたすけぶち」「私の死んだ後に」「居合わせた男」「囁く」「いつも二人で」「たった一人」の7編からなる短編集。 ※ ※ ※宮部さんは短編の上手な方ですね。短編は長編より書くのが難しいので、なかなかこれはと思う作品に出合わない中で貴重です。「私の死んだ後に」が一番印象に残りました。ホラーやブラックユーモアよりも、ハッピーエンドの方が好みです。
October 3, 2013
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「しゃばけ」シリーズ第12弾。 ※ ※ ※「跡取り三人」 …若だんなが大店の跡取り息子たちと競い合い「こいさがし」 …超不器用な女の子が花嫁修業に来た「くたびれ砂糖」…栄吉は生意気な新入りの小僧に手を焼いている「みどりのたま」…記憶を無くした私は誰?「たぶんねこ」 …困っている幽霊を助けるバラエティに富み、最後まで飽きずに読めました。若だんなが初めて働くことに挑戦し、成長がうかがえました。「こいさがし」が一番印象に残りました。お見合いはしたことがないので興味津々。江戸時代のお見合いは何て回りくどいのでしょう。でもこのシリーズのお見合いだったら、きっと騒動が起こるという期待を裏切りませんでした。猫好きの私としてはタイトルに猫が入っていたので、猫が大活躍する話かとかなり期待したのですが、そちらは物足りませんでした。ああ、一層猫が主人公とか……。
October 1, 2013
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誰の視点で書かれているのだろう?ああ、そうか。二人称小説は珍しい。主人公の女性は不倫が好きねえと嫌悪感を持ちながら読んでいたので感情移入できず、ラストでギャッ!これはホラーだったの?芥川賞受賞作はどうもよくわかりません。小川洋子の「妊娠カレンダー」も怖いと思ったけど、あれは間接的な怖さ。本作は直接的な怖さです。同時収録の「ちびっ子広場」なら、子を持つ母として共感して読めました。
September 25, 2013
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大黒屋光太夫(だいこくやこうだゆう)とは、江戸時代、三重県の白子の港を出発して嵐に遭い、ロシアに漂流した人。こんな知識しかありませんでした。米原万里の「マイナス50℃の世界」を先に読んだ方がいいです。大黒屋光太夫の足跡をたどったテレビの企画が元になっており、子ども向きに書かれた紀行文です。世界で一番寒い村と言われるロシア東シベリアのサハ共和国にあるオイミャコンが出てきます。想像を絶する寒さだという予備知識を持ってから本作を読むと、光太夫たちの苦しさ・辛さがよりわかります。江戸時代にロシアに漂流した人って思ったより沢山いたのですね。でもそのほとんどが向うの政府の思惑によって帰国させてもらえませんでした。あきらめて洗礼を受けたがため、帰国できなかった人に涙しました。決して最後まであきらめないこと。心打たれて協力してくれる人が現れて本当によかったです。
September 24, 2013
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「武本&潮崎シリーズ」第3弾。立て篭もり事件発生。 ※ ※ ※一体誰がお見合いしたんだろうと思ったらアハハ。初登場の人の描写が続いたので、気が付きませんでした。でもまあ無理なくこういう事件に巻き込まれる設定ですね。派手な事件でした。映画にでもなりそうです。武本が何も知らずに危険な状況なので、私が本の中に入って真実を教えたかったけど、犯人はピストル持ってるから怖いしなあ。武本と潮崎はひとりでは能力を発揮できないけれど、ふたりだと1+1が10にも100にもなる!無線のやりとりは彼らでなければできないことでした。確固たる信頼関係がうらやましかったです。
September 20, 2013
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「武本&潮崎シリーズ」第2弾。人身売買・虐待。不法滞在の外国人の子どもたちは……。 ※ ※ ※重苦しく進むので、潮崎が現れると場が明るくなってほっとしました。立場上、武本が潮崎に何でも話していっしょに捜査できないのが歯痒かったです。警察官のあり方とは?法律とは?扱っているテーマのため、読後感は重かったです。次作ではきっと潮崎は……だよねと期待しています。
September 16, 2013
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食品検査官の羽川は、友人の自殺の原因を探るうちに食品汚染問題に関係があることに気付いた。 ※ ※ ※食品検査官という職業があるのですね。どういう仕事しているのか興味深いものがありました。ややこしいから戻って読み直したりもしたけれど、二転三転して飽きがこず、概ね楽しんで読めました。1991年の作品です。深刻な食品汚染問題がもうすでにこの頃からあったとは……。安全な食品を食べたいものです。
September 3, 2013
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「天下一大五郎シリーズ」第2弾。奇妙な世界に迷い込んだ「私」は殺人事件に挑む。 ※ ※ ※大笑いしながら読んだ「名探偵の掟」とは雰囲気が違っていました。評価が分かれていますが、私はまあまあ楽しめました。殺人事件の謎解きはあくまでサブで、メインは別のことです。東野さんの本格推理に対する思いが伝わってきました。
September 2, 2013
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ひきこもり探偵シリーズ第3弾。 ※ ※ ※心に傷を持つ者たちが、成長していく様子がよかったです。この三部作のタイトルも卵→巣→鳥だものね。人情の機微に泣かされました。生きていくっていうのも何かと大変なんです。人生において何が大事かを改めて考えさせられました。私は図書館で単行本を借りて読んだけど、文庫本には簡単レシピ集「鳥井家の食卓」のおまけが付いているらしい。むむむ。でも私はレシピはカラー写真が付いてないと、やる気の炎が芽生えない人であった……。
August 28, 2013
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ひきこもり探偵シリーズ第2弾。 ※ ※ ※ここに出てくる人は、みんな温かくていいわあ。悪意を持った人も現れるけれど、最後には仲間になります。更に世界が広がりました。青臭いかなとも思ったけど、全然そんなことなかったです。世間では悲しい出来事が多いから、せめて小説の中では心を癒されたいのです。秋田銘菓「さなづら」に興味津々。お菓子が好きで、銘菓は結構調べたつもりだったけど、これは知らなかったわ。お取り寄せして食べてみます。
August 27, 2013
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多崎つくるは色彩を持っていないと思っていたけれど、自分で気づいていないだけでちゃんと持っていました。理不尽な仕打ちの真相を知ってからは、読むのが辛くなりました。だからファンタジー満載の「1Q84」の方がよかったです。とんでもないことが起こっても、これは小説だからと許せるからです。こんな好青年になんて酷いことを!もうちょっと他に方法があったのでは?評価が分かれていますね。私は合わない組でした。灰田君のお父さんの話は面白かったです。
August 21, 2013
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今回の依頼は江戸川乱歩に関すること。 ※ ※ ※話が大きく動いたのでびっくりしました。もっと後になるかと……。でも、待ってました! っていう感じです。でも本作で終わらず、次作に続くのね。江戸川乱歩は読んだことないような気がします。これを機会に読んでみようかな。
August 12, 2013
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「まんまこと」シリーズ第4弾。「朝を覚えず」「たからづくし」「きんこんかん」「すこたん」「ともすぎ」「ときぐすり」の6編からなる連作短編集。 ※ ※ ※「朝を覚えず」…怪しい薬をめぐる騒動「たからづくし」…女たらしの清十郎に女難!?「きんこんかん」…堅物の吉五郎が突然もて始める「すこたん」…瀬戸物問屋と茶問屋のいざこざ「ともすぎ」…吉五郎の謎の行動「ときぐすり」…身寄りのない滝助を案じるむめ婆と数吉親方お寿ずが亡くなって1年が過ぎました。麻之助の心の傷はまだ癒えてないけれど、親友に助けてもらいながら町名主の仕事をこなし、立ち直っていく姿に安堵を覚えました。おこ乃ちゃんとのこれからがとても気になっています。表題作である「ときぐすり」が一番よかったです。ひとりで生きてきた滝助・数吉・むめ婆が寄り添い合う姿に心が温かくなりました。
August 9, 2013
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「ささら」シリーズ第3弾。 ※ ※ ※1作目・2作目とは色合いが違っていて、SF色が濃かったです。不安になる描写が気になりつつも、話の展開に、あれ?いよいよ終盤には話の筋に混乱して、遡って読み返したりしました。そしてどんでん返しには驚かされました。すべての謎が解けて納得しました。やっぱり佐々良の街は温かかった。みんなのデビューを読んで、主人公が実は○だったことがわかりました。1作目の細かいことはすっかり忘れていました。親戚のおばちゃん気分で読みたかったです。
July 26, 2013
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幼馴染みの高校生4人と、瀬戸内海に浮かぶ島で生きる人々の姿を描いた物語。 ※ ※ ※今までのような地方や田舎の閉塞感はなく、田舎の持つ魅力を思う存分描いてくれました。様々な出来事が起こりますが詰め込み過ぎとは感じず、爽やかな読後感でよかったです。母子手帳のエピソードは著者自身の妊娠・出産の経験に基づくものですね。私は育児ノートを付けていたので、母子手帳には必要最低限しか書き込んでいませんでしたが、もう少しかわいいデザインでもよかったな。
July 20, 2013
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「結婚しようよ」「磯野波平を探して」「肉村さん一家176kg」「住宅見学会」「プラスチック・ファミリー」「しりとりの、り」「家族写真」の7編からなる短編集。 ※ ※ ※家族をテーマにした短編集です。ホロリとさせられたり、くすりとしたり。最近の荻原さんの短編は物足らなかったけれど、本作はまあまあよかったです。「住宅見学会」は奥さんの視点だし、私もかつて戸建が欲しくて気合を入れて住宅見学会に行ったことがあるので、とても感情移入できました。ハハ、ハハハとブラックな笑いが……。娘の結婚相手が家に挨拶に来て、「お父さん」「お父さんだと!?」という会話が実際に交わされているのでしょうか?(笑)磯野波平って54才ですって。夫と同い年でびっくりしました。
July 11, 2013
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地方都市で起きた市議会議長殺害事件。波山署の刑事・本宮は若手女性刑事と組み、事件の足取りを追う。 ※ ※ ※著者初のミステリー小説です。今までの軽いノリは鳴りを潜めて、暗く淡々と話が進みました。でもこれくらいの警察小説だったらもっと上手い人が沢山いるわけで、著者のよさが生かされていませんでした。
July 8, 2013
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京都の街に現れた正義の味方・ぽんぽこ仮面。ぐうたらすることが好きな社会人2年目の小和田君。祇園祭宵山の日に何かが起きる? ※ ※ ※主人公は怠け者でぐうたらしているけど話が進むのか?やきもきしたけれど何とかなるものです。好むと好まざるとにかかわらず、主人公なので表舞台に立たされました。活躍すると思った人がそうでもなくて、ちょい役と思った人が大活躍しました。話が動き出してからは、展開が早くて面白かったです。
June 29, 2013
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坂木司は平凡なサラリーマン。友人の鳥井真一はひきこもりだが、並み外れた推理力で日常の謎を解決する。 ※ ※ ※「和菓子のアン」がよかったので、デビュー作から順に読むことにしました。温かい気持ちになれる連作短編集でした。坂木と鳥井の関係が特殊だから、人によっては合わないかもね。安楽椅子探偵には食傷気味ですが、ひきこもりというのが目新しかったです。趣味は全国各地の銘菓を通販で取り寄せることだそうで、このひきこもり君と話が合いそうだわ。シリーズになっているので、坂木と鳥井の成長していく姿が楽しみです。久しぶりに「かもめの玉子」が食べたくなりました。
June 21, 2013
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人気作家が殺害され、犯人が逮捕された。なぜ動機を語ろうとしないのか。加賀恭一郎シリーズ第4弾。 ※ ※ 殺人事件が起こったけれど、あっさりと犯人がわかって逮捕されました。でもなぜだか動機を語ろうとしません。二転三転と翻弄され、真相に唖然。巧妙な罠にかかりました。そしてタイトルの意味を思い知らされるのです。ミステリーとして上手いけれど、読後感は悪いです。加賀恭一郎が教師から転職した理由も重いものだからよけいそう感じました。
June 19, 2013
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「切り裂きジャックを待ちながら」「わらう月」「暗号を撒く男」「赤い帽子」「悲劇的」「ペルシャ猫の謎」「猫と雨と助教授と」の7編からなる短編集。 ※ ※ ※図書館のリサイクル展でひとり10冊もらえるというのがあって、これもゲット。このノベルスは表紙のペルシャ猫のイラストがかわいくないけどね。文庫版はかわいかった。まあまあの短編もあれば、今いちのもありました。表題作は「特に、長毛種っていうんですか、ペルシャ猫みたいにツンとして高慢そうなのは好きになれませんね」にムッとしながら読みましたが、ちゃぶ台をひっくり返したくなりました。何なのよ、これは。飽きれました。著者もあとがきで、「こんな結末を読まされた読者がどんな気分になるのか、私には判らない」と書いています。自分でも、やっちゃった感があるのでしょう。
June 17, 2013
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動物と話せる人がいて、本を出しているということで図書館で借りてきました。テレビはほとんど見ないので知らなかったけれど、テレビ出演したことがあるので世間では有名みたいです。 動物の気持ちだけでなく、痛みなどの感覚も感じられるというのに驚かされました。 私も自分のにゃんこの気持ちが知りたいです。やらせだと疑っている人も多いけど、私は本当だと思います。 余命幾ばくもない人のお見舞いに行きました。 数日後、夜寝ていたらなぜかがばっと上半身を起こしました。その人の気を感じ、(○さん、どうしたんですか?)(ありがとう) 朝になったら訃報連絡がありました。 多分ハイジさんも心で会話しているんじゃないかな。
June 14, 2013
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連続密造拳銃事件を追う池袋署の武本・潮崎コンビ。麻薬取締官・宮田と共に、巨悪に立ち向かっていく。 ※ ※ ※かっちりした重厚な作品をイメージして読み始めました。冒頭のシーンが強烈で最後まで読めるか心配しましたが、杞憂に終わりました。むしろ軽快で、キャラが立っていて読みやすいのです。潮崎はピエロ役の脇役だと思ったら、あら、あなた主役だったの?著者は「たちもり めぐみ」と読みます。読めないわよね。最初男性かと思いました。男前の性格かな?でも事件解決の糸口は、女性ならではの着眼点でした。しっかり書き込んであって、綿密な取材をしたのでしょうね。合田刑事って誰?わかったのは「三毛猫」だけです。「危ない刑事」は観たけど、名前まで覚えてなーい。他の作品も面白そうなので、全部読んでみます。
June 10, 2013
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白い野ばら咲く庭がある家に住む少年・月彦。同級生に「銀色」と「黒蜜糖」という名の少年がいる。 ※ ※ ※夢なのか現(うつつ)なのか、主人公もわからなくて戸惑っているけれど、くどすぎる表現で戸惑いから苛立ちに変わりました。大きな事件は起きず、雰囲気を楽しむ作品でしょうか。大人のための童話です。猫が出てきたのはうれしいな。
June 3, 2013
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大学生の平口捷は、同級生の天才美術家・烏山響一から招待され、熊野の山奥に作られた巨大な野外美術館を訪れた。 ※ ※ ※頭の中で「烏山響一は危険。近づくな!」って警報が鳴るけれど、妖しい魅力があって引き寄せられてしまう。怖いもの見たさですね。ホラー小説――それも得体の知れない恐怖だから余計に怖いです。特にインスタレーションが半端ないです。私は怖がりだから、ここには絶対入れないです。失神することでしょう。トラウマになっていることを執拗に攻撃してくるって嫌ですね。何だか「MAZE」の話に似ていると思いました。大風呂敷広げてどうやって纏めるんだって気を揉んだけど、おー! となりました。終わり方が世間では評判悪いけれど、私は好きです。読後感がいい方がいいではありませんか。
June 1, 2013
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組織内部のパワーゲームに翻弄される男。 ※ ※ ※評判がよかったので楽しみにしていたのですが、私には合いませんでした。まず、年頃の娘が家出して自殺の恐れありという設定が底辺にあるので、娘のいる私には辛すぎます。お母さんが憔悴しきっていて、その気持ちが痛いほどわかるというのも追い打ちをかけました。組織内部のパワーゲームに翻弄されるサラリーマンというのはどこにでもある話で、主人公の中年のおじさんとどう一体化しろと?もう少し弱みを見せてくれたら感情移入できるのに。それか憎っくき犯人像を最初からもっと具体的に表してくれるとかね。腹の探り合いばかりで冗長。残り4分の1のところまで読んで、やっと少しは面白くなってきたと感じました。結局は「クライマーズ・ハイ」や「半落ち」が良過ぎたのでしょう。次作に期待します。
May 26, 2013
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4人家族の望月家がトラブルに巻き込まれ、愛車のデミオはやきもきする。 ※ ※ ※語り手が人間ではありませんでした。本邦初なの?まるで犬や猫の会話を聞いているようで面白かったです。望月家の次男・亨は大人びていて可愛げがありません。「マリアビートル」に出てきた小憎らしい中学生を思い出してしまって、どうも好きになれなくて困りました。読み進むにつれ、ううむ、個性なのねとやっと認めることができました。あれもこれも伏線だったのかと驚きました。やや無理やりな解決だなと思ったところもありましたが、爽やかな読後感でした。エピローグにはほろっとさせられました。
May 23, 2013
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坂木司さんが和菓子というテーマで自分の好きな作家さん9人に書いてもらったもので「和菓子の餡、ソロジー」だそうです。和菓子をテーマにした話というと、明るく元気なイメージがありますが、ここに収録されているのはそうではない傾向のものが多く、目からウロコでした。そういう切り口もあるのですね。畠中恵さんの「甘き織姫」が一番よかったです。苦味が効いたものより、ほのぼの系の方が好きです。和菓子が食べたくなったので和菓子屋さんに行きました。「こなし」というものも買おうとしたら冬しか置いてないと言われました。季節商品だったとは。冬まで覚えているかしら(笑)
May 21, 2013
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出光興産創業者の出光佐三をモデルとした歴史経済小説。 ※ ※ ※2013年本屋大賞第1位ということで読んでみました。歴史物は苦手だし石油業界にも興味がないので、難しくて挫折するかもと不安でしたが、読みだしたら一気に引き込まれました。主人公の国岡鐡造が凄すぎる!アメリカ人をして彼を「サムライ」と言わしめました。国岡鐡造の激動の生涯を是非あなたも読んでみてください。
May 19, 2013
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「つくもがみ貸します」の続編。 ※ ※ ※畠中さんは新しい話を書くとき、自分で何か新しいことにチャレンジしたいそうで、本作で初めて子どもたちを主人公にしたそうです。いいですね。このつくもがみたちは食いしんぼうだし怖くないから、子どもたちと協力し合って事件を解決するという設定がぴったりです。家族の絆も描かれていて泣かせます。好きなキャラは、猫が好きなので猫神です。白い猫というのもツボにはまりました。つくもがみたちといっしょに暮せたら楽しいだろうな。
May 12, 2013
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児童虐待をテーマとした短編集。 ※ ※ ※2013年本屋大賞にノミネートされた作品です。テーマは重いけれども希望が感じられるようになっています。大学を出たばかりの新任の先生に、小学一年生の担任をさせるでしょうか。田舎の少人数の学校だったらあり得るかもしれませんが、新興住宅地で人口が急増している地域です。この設定には違和感を感じました。「うばすて山」の主人公の気持ちがよくわかりすぎて読むのが辛くなりました。母娘の確執の話は濃すぎて苦手です。
May 8, 2013
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二人の少年が夜の学校に忘れ物を取りに行き、不思議な体験をする。 ※ ※ ※長野さんの作品は初めて読みましたが、幻想的な世界に驚きました。男の子の名前がアリス? となかなか手を出さずにいましたが、美しい日本語のよさを堪能できるのだったらもっと早く読めばよかったです。少女二人だったら甘ったるくなった話が、少年としたので透明感が出ていました。「改造版 少年アリス」というのもあるそうで、これも読んでみたいです。
May 7, 2013
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友達の命を助けるためにバンパイアになってしまったダレン・シャン。 ※ ※ ※外伝を含む全13巻読み終えました。児童向けのファンタジー小説ですが、大人が読んでも面白いです。まさかこんな壮大なストーリーになるとは思ってもみませんでした。どんでん返しが随所にあって先が読めず大興奮。タイトルと著者名が同じなのには訳があります。最後まで読めばわかりますからお楽しみに。
May 5, 2013
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「マスカット・グリーン」「腹中の恐怖」「微塵隠れのあっこちゃん」「三つ、ほれられ」「よいしょ、よいしょ」「元気でいてよ、R2-D2。」「さりさりさり」「ざくろ」の8編からなる短編集。 ※ ※ ※怖い話ばかりで、私の好みではなかったです。読みたかったのは日常の謎であって、日常の恐怖ではありません。R2-D2って一体何だろうと思ったら、「スター・ウォーズ」に出てくるロボットで、しんみりする話でした。「さりさりさり」は猫がドアを爪で掻く音でした。詩的ですねえ。私だったら「ガリガリガリ」か「カリカリカリ」しか思いつきません。短編にはときどき猫が登場するので、北村さんは猫を飼っているに違いないと調べてみました。やっぱり! 娘さんが飼いたがり、ブリーダーのところで運命の出会いをし、「ゆず」と名付けられた猫がいました。
April 21, 2013
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魔女の家と噂される洋館に住むことになった水野理瀬。「麦の海に沈む果実」の続編。 ※ ※ ※洋館というのは、ミステリーの舞台に本当によく合います。雰囲気たっぷり。閉ざされた洋館だと閉塞感があって好きではないので、有名な公園を散歩するシーンが出てきて、ほっと息抜きできました。誰が敵で誰が味方なのか全くわからないので、読み手も緊張を強いられます。得体のしれない恐怖が洋館の中にも外にも漂っています。理瀬は前作で記憶を取り戻してから人格が変わってしまったので、私はどうも未だに馴染めません。大人ならともかく、まだ16歳なのに悪女の片鱗が。登場人物が魅力的な人ばかりなので、主人公なのに聡明なキャラが霞んでしまっているような気がしてなりません。あっち側の世界で生きる運命だからかもしれませんけど。次作ではヨハンが登場するのでしょうか。ファンだから会えたらうれしいけど、「私の好きなヨハンじゃなーい!」とイメージダウンするのが怖いなあ。
April 20, 2013
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「赤い名刺」「眼前の密室」「鉢植えの女」「餞」「声」「真夜中の調書」「黒星」「十七年蝉」の8編からなる短編集。 ※ ※ ※タイトルの臨場とは、警察組織では、事件現場に臨み、初動捜査に当たることです。「終身検視官」の異名をもつ捜査一課調査官・倉石義男がめちゃめちゃかっこいい。話を聞いただけで事件の真相が分かる安楽椅子探偵には食傷気味だけれど、彼はしっかりと現場を検視して真実を見抜いています。組織の中の一匹狼というのも、またいいんですよね。後味の悪い話もあったけれど、ほろっとした読後感を得られた「十七年蝉」が最後に収録されていてよかったです。間違いやすいけれど、「検死官」ではなく「検視官」なのですね。
April 17, 2013
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捨て犬を救うボランティアたちの活動を取材したノンフィクション。 ※ ※ ※毎年多くの犬が保健所で殺処分されています。そのうち里親が見つかって命が助かるのはほんのわずかです。飼育放棄やブリーダー崩壊のことを知っていましたが、まだまだ知らなかった現状が書かれていました。犬や猫を飼いたいと思ったら、里親募集サイトを見てもらえませんか?うちのにゃんこもお家がなかったので、私がお母さんになりました。続編の「おいで、一緒に行こう」が出ているそうで、これも読んでみます。
April 16, 2013
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「誘拐天国」「エンジェル」「手作りマダム」「マニュアル警察」「ホームアローンじいさん」「花婿人形」「女流作家」「殺意取扱説明書」「つぐない」「栄光の証言」「本格推理関連グッズ鑑定ショー」「誘拐電話網」の12編からなる短編集。 ※ ※ ※ブラックユーモアの作品が多い中で、異色の「つぐない」が一番良かったです。うるっとしました。科学的要素がメインで東野さんらしいです。「誘拐天国」笑えました。誘拐で可笑しいと言えば、岡嶋二人さんの「99%の誘拐」を思い出しますが、それよりもっと可笑しいです。
April 15, 2013
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「螺鈿迷宮」の続編であり、「ケルベロスの肖像」のアナザーストーリー。 ※ ※ ※医大生・天馬の視点で語られている章は、微笑ましくさくさく読めました。途中で語り手が変わると一転重苦しい雰囲気に包まれました。桜宮一族の怨念に対峙できるのは天馬しかいません。「ケルベロス」で結末がわかっているけれど、謎だった部分もあり、驚愕な事実も明らかになりました。まだまだわからないことがあるし、桜宮サーガはどうなるのでしょう。気になります。
April 14, 2013
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ルポライターの「私」は6つの奇妙な仕事の現場を訪ね歩いた。 ※ ※ ※こんな変わった仕事をよく6つも考えられましたね。三崎さんならではの発想です。架空のルポルタージュですがリアリティに書き込んでいるので、現代社会への風刺を織り込んだ実際のルポを読んでいるようでした。
April 5, 2013
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「極め道」というエッセーを読んだときは、弾けすぎていてついていけなかったけれど、本作は人となりがわかってきたせいか大丈夫でした。20代のときから盆栽と三味線が好きだったとは、渋い若者だったのですね。漫画が好きなのは知っていたけど、これほどまでに好きとは、只々唖然としました。友達もユニークな人が多いんですね。類は友を呼ぶ?「風が強く吹いている」も当初の妄想を逃れて、爽やか系にまとまって本当によかったです(笑)私も昔から空想に浸るのが好きだけど、空想が進化して妄想になってもいいんだ。目から鱗。誰にも迷惑かけないものね。
April 3, 2013
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いつものごとく軽く読ませていただきました。表紙に白い猫が描かれていたから、猫が出てくるんだと期待していたら、話だけでした。私立探偵が登場したけど、風祭警部とキャラがかぶっていました(笑)怪盗が出てくると、どうしてもコナンの雰囲気ですね。麗子パパがお屋敷にいない訳が分かったけど、ママはどうなのかしらね。私は完結編だと思うのだけど、みなさんどう思いますか?この余韻のある終わり方。いいわあ。
March 31, 2013
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「MAZE」の神原恵弥が北国のH市へ妹を連れ戻しに行き、クレオパトラの謎を探る。 ※ ※ ※「MAZE」に登場した神原恵弥が主人公です。仲が悪いわけではないのに、腹の探り合い。兄妹で緊張感のある会話を続けているって面白いですね。疲れないのかしら?謎が次々に現れてさっぱりわからなかったけれど、恵弥のキャラでストレスを感じずに読み進めることができました。ラストはそれなりだったけど、過程を楽しみました。それにしても函館市だとすぐわかるのに、どうしてH市という表記なのでしょうか。
March 27, 2013
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和泉康正の妹が亡くなった。自殺ではなく他殺だと確信し、独自の捜査で二人の容疑者にたどり着いた。 ※ ※ ※康正の行動にハラハラドキドキです。そこへ加賀恭一郎が登場。おお! 本作は加賀恭一郎シリーズだったのですね。ファンだからうれしいです。康正、恭ちゃんは手ごわいぞ。それで、犯人は男? 女? 男? 女?もー、どっちよ。康正と恭一郎には犯人がわかったようだけど、私にはさっぱり。文庫本には推理の手引きがついていたので、喜々として読み始めました。講談社ノベルスから初版が出た直後、編集部に問い合わせが殺到したそうです。ああ、よかった。私だけがわからないんじゃなかったんだ。文庫化の際、ある表記を削ったため、難度が上がったそうです。上げないでー。結局犯人の名前は書いてなくてヒントだけ。再読する気になれず、ネット検索して真犯人がわかりました。リドル・ストーリーは好みじゃないわ。「犯人はおまえだ!」と大団円を迎える方が好きです。康正と恭一郎が二人で飲むシーンが印象に残りました。
March 22, 2013
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「神去なあなあ日常」の続編です。神去村は三重県一志郡美杉村(現・津市美杉町)がモデルになっています。松阪・久居・津とよく知っている地名が出てくるとドキッとしました。早いもので勇気もここに来て1年。山仕事に慣れましたが、直紀さんとの仲が進展しないのがもどかしかったです。繁ばあちゃんは只者ではありませんでしたね。昔話・恋の話・クリスマス、面白くて心が温かくなる話でした。続きが出るといいなあ。勇気のお母さんが全然描かれていなかったのが残念だわ。携帯が通じないなら手紙くらい来そうなものだけど? と子を持つ母は少し不満なのでした。
March 19, 2013
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発端はひき逃げ事件。交換殺人が疑われる。 ※ ※ ※犬とか猫とか人形とか、ミステリーには人間以外の視点で描かれているものがありますが、本作もユニークです。うん、こういうのもありだわ。初めは面食らったけれど、すぐに慣れました。次々と殺人事件が起き、中だるみせずにワイドショーを見ているようでした。タイトル通り、解決するまで長かったです。そう言えばロス疑惑事件ってありましたね。
March 14, 2013
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