カタコンベを出て、ポンペイの柱にたどり着く頃には陽がじりじりと照ってきた。
イタリアにもあるポンペイはシーザーの盟友、ポンペイウスの名が由来の街である。
ポンペイウスはシーザーと密約を結び、三頭政治の一角を担ったけれど、その後、決裂してしまう。
エリザベステーラーの「クレオパトラ」の中でシーザーが到着した時、エジプト側からポンペイウスの首が差し出されたのを思い出した。
シーザーはイケナイ男でポンペイウスの妻と不倫し、ポンペイウスは離縁している。
当のポンペイウスは逆に紳士的な色狂いではない人物だったようだ。
スカラベ?
(ワイロさんのおうちってあんな感じ?)
「え゛っ!??」←明らかにぎょっとしている。
母が慌てて「そんな訳ないでしょー、ワイロさんはお金持なんだから」
え? 今まで見てきた住宅より立派だったから聞いたのに、まだだめか。
「スミマセン、うちの子、世間に疎くて」
「あー、ちょっと違います。私は外国人居住地に住んでいますから」
かつてポンペイの柱は400本くらいあったそうだが、今残るのはわずか。
真っ白な壁と地面は最近になって公開の為に造られた物で真新しい。
それにしても、白の照り返しってすごいなー。
あ゛づい゛ー。
「ワイロさん、びっくりしてたでしょ。高級に見えないアパート指さして」
(え?でもガラスも入ってるし、結構立派な方じゃん)
「なんでも思ったことすぐ聞くの止めなさい」
すっごく真っ青な空。
で、ワイロさんちはどんなとこなわけ?
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