猫旅に出る ~ある生物系学芸員の日記~

猫旅に出る ~ある生物系学芸員の日記~

2010.02.07
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カテゴリ: 研究



僕は学部4回生の頃から研究を始めて、この6年間ずっと形態学に関する研究を続けてきた。
僕が対象とするのは主に頭骨という(細胞と比べれば)かなり大きな構造物で、種レベルあるいは個体群レベルでその比較を行ってきた。
比較に使う方法は色々あるけれど、僕はノギスを用いて頭骨のいろんな部位の長さを計測して、それを用いて多変量解析を行うという方法をとってきた。
長さを測るというやり方はかなり昔から行われているもので、古典的なデータの取り方である。
一方で、そこから得られたデータの解析方法はここ数十年で急速に進歩してきた。
最近は長さを測るのではなく、構造物に標識点をとりその座標データを用いた幾何学的形態測定法という方法が主流になりつつあるようだ。
しかし、僕はこの方法を十分に理解できていないためにあまり積極的にこの方法を使ってこなかった(少しはやってるし、学会でも発表してるが)。
また、これまでに取ってきたデータを殺したくないがために、従来の方法と幾何学的形態測定法の両方を併用するというスタンスでやってきたが、このやり方は時間がかかる。
それに、両方を行うことのメリットがあるかどうかが分からない。
あるような気もするが、説明できないのであるとは言えない。
もちろん目的にもよるのだが、種間や個体群間の形態的差異を明らかにしたい場合にどちらがinformativeか??
幾何学的形態測定法の欠点は?
この辺りをはっきりさせるためにも、4月までに幾何学的形態測定法をしっかり勉強しようと思う。
そこから得られた結論として、今までにとってきた大部分のデータを殺すことになるかもしれない。
がしかし、思い切りは必要である。
三次元計測器があれば、長さのデータも座標データも取れるから、データ取得の段階で何も捨てずに済むのだが、三次元計測器は高価なので…

農業環境技術研究所の三中氏は ブログ でこんなことを書いている。
「幾何学的形態測定学の最前線をまずは見てみるというのが生き残るすべではないかと私は思います.」
これは学部生向けに書いたもの。
僕の場合は「まずは見てみる」とか、そんな悠長なことを言ってる場合ではない。
幾何学的形態測定法を理解するには数学的理解が必要で、これが厄介だ。
数学は嫌いではない。
しかし、理解するのに時間がかかる。

僕の知識には研究遂行上の不安要素となっているたくさんの穴があって、それを埋めていかないと頻繁に躓いてしまう現状を変えられない。
統計学や幾何学的形態測定学の理解を深めることは、必要不可欠である。





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最終更新日  2010.02.07 23:19:13
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