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2006.01.09
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有栖川有栖(ありすがわアリス)のジュブナイル向けミステリーだ。

○ストーリー
推理作家にあこがれる秀介と,刑事にあこがれるユウは,小学校6年生の夏休みを,虹果て村で過ごす。虹にまつわる7つの言い伝えが残る虹果て村は,山あいののどかな村だった。ところが,高速道路の建設をめぐり,村は賛成派と反対派に分かれ,反対派の1人が密室で死体で,新聞記者が道端で意識不明の重態で,発見される。秀介とユウは,自転車に乗って事件の解明に乗り出す。

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”学生アリス”を思い出させる叙情的な作品だ。作家志望のやや内気な秀介少年と,刑事志望のやや勝気なユウ少女というコンビを,有栖川らしく上品にうまく描き切っている。2人がケンカをするシーンがあるのだけど,これがうまく書けていてうならせられた。

ユウの親戚のお姉さんと,たまたま村に来ていた若い刑事の淡いロマンスもあるが,やはり物語の中心は,小学生の2人だ。

2人から見た村の大人たちは,当初はありきたりな登場人物として現れるが,作品と捜査が進むと,それぞれの生活や考え方が浮かび上がってくる。高速道路の賛否についても,各自が異なる理由や信条でどちらかの陣営に属しており,単純な切り分けになっていない。

この問題をキーにして,世の中にはいろいろな問題があって,大人もそれを解決しようとはしているものの,一世代では解決のつかない問題もある,という考え方を,小学生の主人公たちが実感する物語になっている。

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あとがきを読んでも,有栖川有栖が,秀介少年に自分の過去を投影していることがうかがえる。有栖川作品の主人公らしく,あまり目立たないんだけど,珍しく活躍するところがある。これも自己投影のなせるワザか?

この作品こそ,『ミステリーランドのアリス』の定本なので,有栖川ファンは必読だろう。そうでない人にとっても,有栖川作品の導入としては適していると思う。(ややミステリーが弱いけど)

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あと,これはどうでもいい部分なんだけど,親戚のいる村に外の小学生が遊びに来たら,最初に同じ年代の子どもを紹介されると思うんだけどなあ。どうだろう?






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Last updated  2006.01.09 10:16:05
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