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2010.03.05
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カテゴリ: ばくばく冒険小説
島田荘司が講談社Box文庫にて展開している大河ノベルを読み始めた。

○ストーリー
日本本土への空襲が頻繁となり,敗戦が濃厚となった昭和20年の夏,誰もが意気消沈としていた。そんな中,シン少年は伯父がときおり忍び込ませてくれる陸軍の秘密兵器研究所で見る科学兵器に胸をときめかせていた。だがB29の空襲を阻止するためのロケット戦闘機のテスト飛行を見に行った2人は,着陸した海軍エースパイロットの変わり果てた姿を目にしてしまう。そして事件は始まった。

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島田荘司の文章だけでなく,士郎正宗のイラストにも惹かれて,珍しく買い始めたシリーズだ。だがシリーズが刊行され始めた2009年当時は,島田荘司作品はまだまだ未読が多かったので,それから2年をかけてほぼ読破をした。

いよいよこのシリーズに取り掛かる準備は出来たと判断して,僕にしては珍しく”積ん読”状態だった山を崩し始めた。

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第一話を読んだだけでは,このシリーズの先行きがサッパリ分からない。「大人が暗くなっている中,少年の僕の毎日は輝いていた」というような導入から始まるのだけど,シン少年の父親は戦死し,母親は元英語教師でしかも美人ということで,村中の女性から憎まれている。そうした影響で少年まで学校でいじめにあっている,という設定なので,あまりこの子の毎日が輝いているようには思えない。

さらにいきなり新型戦闘機のテスト飛行で事故が起き,となんだかイヤなことばかりが起きる。シン少年を取り巻くのは不幸というよりむしろ不穏な空気だ。島田荘司の筆力を用いて,彼のいる境遇がひどく危険な状況のような雰囲気をかもし出している。



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軍事態勢下の日本を舞台としているが,これは島田荘司がとにかく嫌っていた世の中だ。論理性のかけらもなく,言いがかりだけで暴力的な行為がまかり通っている。こうしたことはもちろん無くなるべきなのだけど,例によって島田節で長々と批判を聞かされると,どうしてもウンザリしてしまう。

だがそれを割り引いても,読みやすさは間違いない。たぶんBox文庫の文字数の少なさも影響していると思うが,1日1冊では足りないくらいすらすらと読めてしまう。

まったくもってどこに連れて行かれるのかは分からないし,どうも不安感がぬぐえないが,それでも島田荘司の大河ノベルに喜んで引っ張りまわされてみたい。










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Last updated  2010.03.05 22:58:40
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