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2010.04.13
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カテゴリ: わくわく児童文学
今年の小学校高学年の課題図書となっている本を読んだ。

○ストーリー
ぼくは滑り止めで受けた中学校にも不合格となった。クラスでも2年間の塾通いで親しく遊ぶ友だちがいなくなっていた。1人でさみしく冬休みを過ごすぼくは,些細なことでとうさんとケンカをして,家出をしてしまう。向かった先は,長野県の上田に住む大叔母さんの春おばさんのところだった。なんとかたどり着いたぼくに,おばさんは遠い昔の思い出を語り始める。

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図書館に行った際に,姪っ子が「あ,これ課題図書だ」と言う。この子は4年生になったばかりで,いわゆる”中学年”だが,この本は”高学年”の課題図書らしい。一応児童書も最低限は押さえておくつもりなので,ためしに借りて読んでみた。

依田逸夫という著者のことは知らなかった。もう70才の方だが,小学校の先生をされていて,40代になってから作品を書き始めた人らしい。こう言っては失礼なのかも知れないが,ようやくこの作品が推薦図書となったことで,有名になるところの作家なのではないだろうか?

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中学受験を終えたばかりの小学校6年生,という年代の子どもについての描写だが,バックグラウンドもあり70才の作者にしては,現実離れしていないレベルでできていたと思う。

さとうまきこの「ぼくらのケータイ 3 days」に登場するような小6と比較すると,大きな差があるが,あちらは児童文学としては異質なぐらい”進んだ”小6を描いているのでしょうがないだろう。



大叔母である春おばさんに会えるまでは,この作品の一番楽しめる部分かもしれない。列車の中,降り立った駅,それぞれで助けている人が登場するので,もう1つ緊迫感は無いが,一人旅の不安感と,うまく行った時の喜びは伝わってくる。

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この作品がある意味,意外な展開を見せるのは,春おばさんが自分が若かった頃の話を始めてからだ。そして翌日,ぼくとその家族は「無言館」という戦没画学生の展示スペースを訪問して,物語は終わる。

なぜ唐突に戦争体験?

もちろんこの展開があるから,課題図書に選ばれたのは間違いない。そうしたマジメな人の善意を否定するつもりはない。戦争で未来を絶たれた若者を思えば,現代のいろんな挫折や嫌なことって,小さく思えて乗り越えやすく思えるだろう。

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けれども,もう65年経った。1945年に10才だった人は,2010年の今では既に75才だ。小学生に『あの頃はね・・・』と語るには,あまりにも遠い時代で,既に単なる歴史になってしまっているのではないだろうか?

例えば,僕が小さかった頃昭和40年代は,テレビでは戦争映画を大量に放映し,マンガでも第二次大戦を舞台にした作品が多く,男の子はまだまだ戦車や兵隊の人形で遊んだものだ。

あの頃は,まだまだ戦後の匂いが強く残っていたので,とくに男の子は戦争のことを調べて,知っていた。もちろん,今ではそんな匂いは少しも残っていないので,語らない限り,戦争の記憶は薄れてしまう。それは分かる。

でも,それって児童文学の役割だろうか?大戦の敗戦国で,アジア諸国への侵略行為を反省すべき国家として,戦争のあやまちを教えておきたいならば,教育システムでそれを行うべきなんではないだろうか?

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しかし,ぼくのお父さんが,春休みの小学生が朝8時に起きると「いつまで寝ている!たるんでる!」って顔に跡が付くくらいのビンタをする,ってことには驚いた。

キビシイ・・・何時ならゆるされたんだろう?

この早起きの感覚は,やはり70才の作者の感性だなあ。








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Last updated  2010.04.14 00:04:44
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